防衛省は28日、韓国海軍レーダー照射事件で、海自哨戒機が撮影した当時の映像を YouTube 上に公開した。
韓国側がレーダー照射の事実を否定したため、日本の主張の正しさを国際社会に示すため、公開に踏み切った。
韓国海軍レーダー照射事件とは、平成30年12月20日午後3時頃、能登半島沖(日本の排他的経済水域内の公海上)において、韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」が、海自哨戒機「P-1」に対して、火器管制レーダーを照射した事件である。
火器管制レーダーは、ミサイルや主砲などを発射する際、標的の方向や距離を測定するために電波を放射する装置である。国際法上、照射は武器使用に準ずる行為とされている。
公開された映像の長さは13分7秒。
視聴者向けに説明する文字を入れ、情報保全の観点から一部音声の処理を施しているが、それ以外の加工はしていないと言う。
北朝鮮籍とみられる漁船と韓国警備救難艦「サンボンギョ 5001」、出典:YouTube
公開された映像は30秒ほどすると、北朝鮮籍とみられる漁船と韓国警備救難艦「サンボンギョ 5001」が現れる。北朝鮮籍とみられる漁船のすぐ近くには、「サンボンギョ 5001」のものと思われるゴムボートが2艘ある。
火器管制レーダーを照射した韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」は、少し離れた場所にいる。なぜか韓国国旗を掲げていない。
海自哨戒機は哨戒任務を続ける。
火器管制レーダーを照射中の韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」の韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」、出典:YouTube
6分5秒の時点で、韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」が火器管制レーダーを照射する。海自哨戒機はその場を離れる。
火器管制レーダーの照射は、その後、少なくとも1回は探知する。
9分5秒の時点で、海自哨戒機は韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」に対して英語で呼びかけを行う。しかし、反応はなし。
その後、2回呼びかけを行うが反応はなかった。
火器管制レーダーの照射を受けた海自哨戒機「P-1」、出典:Wikipedia
韓国側の主張には、公開された映像内容といくつかの矛盾点がある。主なものは以下のとおりである。
①現場の状況
(韓国)遭難した漁船の捜索中
(映像)漁船のすぐ近くに2艘のゴムボート、韓国警備救難艦「サンボンギョ 5001」も近くにいる
②火器管制レーダーの使用
(韓国)電波は出していない
(映像)少なくとも2度使用
③海自哨戒機の飛行
(韓国)韓国海軍艦艇の真上を低空飛行
(映像)国際法で定められた高度、韓国海軍艦艇とは一定の距離
④無線での呼びかけ
(韓国)通信感度が微弱だった
(映像)3種類の周波数で3回行う。当日の天候は悪くなく、距離もそう遠くない
韓国海軍は「北朝鮮籍とみられる漁船」と日本の近くで何をしていたのだろうか?
日本などに知れたらマズいことだったのだろうか?
(不審者を見る目)