政府の地震調査研究推進本部は26日、「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」を公表した。
日本列島周辺のプレートと発生する地震のタイプ、原典:全国地震動予測地図2018年版 手引・解説編
地震はその発生場所により、「活断層型地震」と「海溝型地震」とに大別できる。
活断層型地震とは、陸側のプレート内部での断層運動により発生する地震である。
海溝型地震とは、陸側のプレートと海側のプレートの境界である海溝やトラフ付近で発生する地震である。2枚のプレート間のずれによって生じる「プレート間地震」と、沈み込む側のプレート内部で発生する「プレート内地震」がある。
「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」は、海溝型地震が対象である。
プレート間地震に関しては、規模の大きさにより「超巨大地震」「プレート間巨大地震」「ひとまわり小さいプレート間地震」にわけて、その発生確率をそれぞれ評価している。
また、「日本海溝寄りのプレート間地震」は、上記のプレート間地震とは別に評価している。M(マグニチュード)の算出方法は、Mt(津波マグニチュード)という特別な方法で行っている。
プレート内地震に関しては、「沈み込んだプレート内の地震」と「海溝軸外側の地震」にわけて、その発生確率をそれぞれ評価している。
なお、日本海溝とは、東日本沖の太平洋底に海岸線とほぼ並行して存在する海溝のことである。
原典:地震調査研究推進本部
「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」では、平成31年1月1日から30年以内に、「プレート間地震」が発生する確率を、以下のように予想している。
ひとまわり小さいプレート間地震(M7.0~7.5程度)
・青森県東方沖及び岩手県沖北部 90%程度以上
・岩手県沖南部 30%程度
・宮城県沖 90%程度
・福島県沖 50%程度
・茨城県沖 80%程度
プレート間巨大地震(M7.9程度)
・青森県東方沖及び岩手県沖北部 5~30%
・宮城県沖 20%程度
超巨大地震(M9.0程度)
・岩手県沖南部~茨城県沖 ほぼ0%
日本海溝寄りのプレート間地震(Mt8.6~9.0)
・青森県東方沖から房総沖にかけての日本海溝寄り 30%程度
同じく、「プレート内地震」は、以下のように予想している。
沈み込んだプレート内の地震(M7.0~7.5程度)
・青森県東方沖及び岩手県沖北部~茨城県沖 60~70%
日本海溝軸外側の地震(M8.2前後)
・日本海溝の海溝軸外側 7%
原典:地震調査研究推進本部
「青森県東方沖及び岩手県沖北部」で「ひとまわり小さいプレート間地震(M7.0~7.5程度)」が30年以内に発生する可能性は、90%程度以上としている。大正12年(1923年)以降、10回も発生いるためだ。
同じく、「宮城県沖」では90%程度である。こちらは6~7回発生している。
日本海溝沿いで30年以内にM7(マグニチュード7)以上の地震が発生する確率は100%に近い。
まぁ、発生しないことも考えらなくはないが。
どちらにしろ、地震や津波などの自然災害が発生した時に備え、被害を最小限に抑えるための対策が必要である。
日本には国土強靱化が必要である。