菅原一秀(すがわら・いっしゅう)経済産業大臣が10月25日、辞任した。
菅原氏の公設秘書が同月17日、選挙区内の斎場で行われた地元支援者の通夜で、香典2万円を渡した責任をとってのものだ。選挙区内での香典は、政治家本人が持参した場合を除き、禁止されている。
大型連休前後には、後援会幹部にリンゴを送ったとされる。
また、平成18~19年にかけ、カニやメロン、みかんなどを選挙区内の有権者らに配ったという報道もある。
これらの行為は全て、公職選挙法違反にあたる。
新聞各紙はほぼ全て、令和元年10月26日の朝刊1面でこの件を扱い、社説にも取り上げて厳しく批判していた。
マスコミの菅原氏への批判は当然のものである。
選挙区内の有権者への寄付行為は禁止されている。政治家にとって「基本中の基本」といえる。
立憲民主党の福山哲郎幹事長(左上)と辻元清美幹事長代行(左下)、令和元年10月27日現在
菅原一秀経済産業相の辞任を受け、野党側からは25日、批判の声が相次いだ。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に、「疑惑はより深まった」「安倍晋三首相の任命責任は重たい。強く抗議し、責任を求めていく」と述べた。
野党議員は菅原氏を強く批判しているが、本来、自分たちも他人を批判できる立場ではない。
立憲民主党の福山哲郎氏には、政治資金に関して、「不適切なのでは?」と指摘される点がいくつかある。
平成22年に開催した講演会では、約196万円の収支の差額があった。
平成22~23年にかけ、福山氏が代表を務める政党支部などが、手ぬぐい代として7件計26万3665円を京都市内の業者に支出していた。福山氏の事務所は「海外要人からの土産の返礼や海外訪問時の土産として使用した」と説明した。
平成22~28年にかけ、複数の企業や団体から「後援会年会費」や「後援会費」として延べ63件、計63万円の入金を受けていた。政治資金規正法上、政党や政党支部でない政治団体は企業・団体から会費を受け取ることはできない。福山氏の事務所は一部は後援会費であると認めた。
平成26年2月6日の六本木・ガールズバーでの飲食代金2万1000円を、福山氏の資金管理団体が「会合費」の名目で政治活動費に含めていた。福山氏の事務所は「マスコミ関係者数名との懇談で使用した」「内容は当時の政治状況についての意見交換であり、会合費としての支出は適切であると考える」と説明した。
平成16年2月、辻元氏は秘書給与1840万円を騙し取った詐欺の罪で、東京地裁から「懲役2年・執行猶予5年」の有罪判決を受けている(平成21年、猶予期間満了)。
恐喝事件などで多くの逮捕者を出している連帯労働組合関西地区生コン支部(通称「関西生コン」)とも、密接な関係にあるとされる。
今回、菅原氏を批判している野党議員のなかには、上記の両氏以外にも、不適切と思われることを行っていた議員が多数いる。
しかし...
マスコミの大部分は野党議員を厳しく追及することはしない。全国紙では、産経新聞が指摘するくらいである。
マスコミは議員が不祥事を起こしたときには、自民党でも、野党でも、公平に報道すべきだ。