1月1日は
1月1日の早朝、天皇が宮中で四方の神々を拝する儀式である。
年初の宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)でもある。
宮中祭祀とは、天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に行う儀式のこと。
儀式として定着したのは宇多天皇(うだてんのう)の御代(9世紀末)。『宇多天皇御記』によると、寛平2年元旦(ユリウス暦890年1月25日)が四方拝が行われた最古の記録である。
15世紀後半に応仁の乱で一時中断されたが、後土御門天皇(ごつちみかどてんのう)の文明7(1475)年に再興された。以後、19世紀後半の孝明天皇の御代に至るまで、京都御所の清涼殿の前庭で行われていた。
明治時代初期から昭和20(1945)年頃まで、1月1日は四方拝にちなみ「四方節」と呼ばれていた。「元日」と呼ばれるようになったのは、昭和23(1948)年に「国民の祝日に関する法律」が施行されてからである。
つまり、大東亜戦争に負けたから「四方節」という呼称は消された。
黄櫨染御袍をご着用になられた天皇陛下、 原典:首相官邸ホームページ
天皇陛下は午前5時30分、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)をご着用になられ、神嘉殿(しんかでん)の南側の庭に設けられた仮屋の中にお入りになられる。
そして、神々を御拝(ごはい)になられる。順番は以下のとおり。
・神宮(伊勢神宮)
・天神地祇(てんじんちぎ)
・神武天皇陵(じんむてんのう りょう)
・先帝三代の陵(みささぎ)(明治天皇、大正天皇、昭和天皇)
・武蔵国一宮(むさしのくに いちのみや)
・氷川神社
・山城国一宮(やましろのくに いちのみや)
・賀茂神社
・石清水八幡宮
・熱田神宮
・鹿島神宮
・香取神宮
陛下は独特の言葉(呪文)をお唱えになられる。『内裏儀式』『江家次第』によると以下のとおり。
賊寇之中 過度我身、毒魔之中 過度我身、危厄之中 過度我身、五危六害之中 過度我身、百病除癒、所欲悩心、急々如律令
(「五危」は「五厄」とする史料もあり)
現代語訳すると「様々な災厄は我が身を通過しますように」である。
これは「様々な災厄は国民に行かず、まずは自分の身が受けて立つ」という意味である。
筆者はこの事を知った時、かつてない程の衝撃を受けた。このような国家元首が他にいただろうか?
今日、陛下は
あなたの幸せのために。