メダカは約7,400万年前、インド亜大陸に出現したことがわかった。
琉球大学など国内外20の研究機関が、世界中からメダカを収集し分析した結果、明らかとなった。
インド亜大陸は「インド半島」とも言い、インド・バングラデシュ・パキスタン・ネパール・ブータンなどの国々を含む亜大陸・半島。「南アジア」とほぼ同義。
アフリカ大陸、南米大陸、オーストラリア、南極大陸などと共にゴンドワナ大陸を形成していた大陸の一部。1億3,000〜1億6,000年前にゴンドワナ大陸から分離し、その後北上して、3,300万〜5,500万年前にユーラシア大陸に衝突した。
セトナイメダカ(Oryzias setnai)
研究グループは、世界中からメダカ科魚類を収集し、ミトコンドリア全ゲノムと5つの核遺伝子の塩基配列の解析した。
結果、西インドの西ガーツ地方に固有の「セトナイメダカ」が、メダカ科魚類の系統進化の中で最も古くに分岐した種であることを突き止めた。
東南アジアや東アジアのメダカ科魚類は、全てセトナイメダカと姉妹関係にあるという。
更に、化石の情報を元にメダカ科魚類の分岐年代を推定したところ、「セトナイメダカや他のメダカ科魚類の共通祖先」は約7,400万年前(6,600〜8,800万年前)に分岐したことがわかった。
この時期、インド亜大陸はゴンドワナ大陸から分離してインド洋を北上していた。その後、ユーラシア大陸に衝突・合体した。
メダカ科魚類はこれ以降に、アジアに分布を拡大していったと考えられる。
情報元:Mesozoic origin and ‘out-of-India’ radiation of ricefishes (Adrianichthyidae) | Biology Letters
メダカがインド亜大陸に乗ってやって来た...というのは興味深い。
それ以上に、メダカの歴史が約7,400万年前もあるのは驚きである。
約6600万年前、全ての生物種の約70%が絶滅したと考えられている。この時に恐竜も絶滅した。メダカが生き残ったのは、筆者としては意外である。
人類の歴史は500~700万年と言われている。
地球上の生物のなかでは、人類はまだ新参者である。