トランプ米大統領は20日、ネバタ州で記者団に対し、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄すると表明した。
同条約破棄の理由として、ロシアの条約違反と、支那に対抗するため米国も中距離ミサイルの開発・配備が必要なことを挙げた。
今後は中距離核戦力の開発を積極的に進める方針だ。
中距離核戦力全廃条約(INF=Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty)とは、米国と旧ソ連との間で結ばれた軍縮条約の一つだ。
1987年12月8日に当時のレーガン米大統領とソ連のゴルバチョフ書記長によって調印され、1988年6月1日に発効した。
射程が500~5,500kmのまでの核弾頭、及び通常弾頭を搭載した「地上発射型」の弾道ミサイルと巡航ミサイルの廃棄を求めている。
米ソ両国は条約を履行し、配備していたミサイルを撤去した。ただし、15基に限り博物館への展示を目的に、使用不能の状態で保有することが許された。
米国国防総省は昨年3月、ロシアが地上発射型の巡航ミサイル「9M729」を配備したと発表し、ロシアの条約違反を指摘していた。
ロシアによる中距離ミサイルの開発は、欧州諸国に対して脅威となっている。
米国には、同盟諸国の脅威を除去する義務がある。
特に「DF(東風)ー21D」という射程1,500kmの対艦弾道ミサイル(ASBM)は、複数の弾頭がそれそれ迎撃を回避するなどして命中率を高める機動式多弾頭を装備しており、米国の空母にとって重大な脅威となっている。
米軍は、INF全廃条約が「足かせ」となり、支那に対抗する兵器を配備できない状態が続いていた。
米国の条約破棄は当然だ。
本来なら、米国自身や同盟国を守るため、数年前に破棄すべきだった。
前オバマ政権が放置していたため、欧州や南シナ海などで安全保障上の脅威が増してしまった。
軍事というのは、相手が持っている兵器をこちらも持っていないと、抑止力が働かない。
ロシアや支那が持っている兵器を米国が保有するのが、なぜ悪いのだろうか?
しかも、ロシアは数年前に条約違反を犯している。