日産自動車(本社・横浜市)のカルロス・ゴーン代表取締役会長(64)とグレッグ・ケリー代表取締役(62)の2人は19日、金融証券取引法違反(有価証券報告書への虚偽記載)の疑いで、東京地検特捜部に逮捕された。
平成22年(2010年)3月期以降の有価証券報告書には、年収1億円以上の役員については、その氏名や報酬額などを記載する義務がある。
ゴーン容疑者はケリー容疑者と共謀し、ゴーン容疑者の役員報酬を複数年にわたり、実際の金額より計50億円ほど少なく有価証券報告書に記載していたとみられている。
日産自動車のカルロス・ゴーン代表取締役会長(左)とグレッグ・ケリー代表取締役(右)https://t.co/pQ3Ha1V1Xz
— 素人が新聞記事書いてみた (@np_ama) November 19, 2018
東京地検特捜部の発表によると、平成23年3月期~27年3月期のゴーン容疑者の役員報酬は計約99億9800億円だったのに対し、有価証券報告書には計約49億8700万円と記載した疑い。
情報元:ゴーン容疑者ら2人逮捕 報酬を50億円過少申告の疑い:朝日新聞デジタル
有価証券報告 | 日産よりゴーン容疑者の報酬額
(赤字が虚偽記載の疑いのある年度)
平成30年: 7億3500億円
平成29年:10億9800億円
平成28年:10億7100億円
平成27年:10億3500億円
平成26年: 9億9500億円
平成25年: 9億8800億円
平成24年: 9億8700億円
平成23年: 9億8200億円
東京地検特捜部は今回、ゴーン容疑者らの虚偽記載に関与したとみられる日産関係者との間で、捜査に協力する代わりに刑事処分を軽くする日本版「司法取引」(協議・合意制度)に合意したとみられている。
同制度は今年6月にスタートしたばかりで、適用されれば2例目となる。
情報元:日産ゴーン会長逮捕、日本版「司法取引」2例目 : 読売新聞
日産自動車の西川廣人 (さいかわ ひろと)社長は同日、横浜市の日産本社で記者会見した。
社内調査の結果、ゴーン容疑者本人の主導による3点の不正行為あったと発表した。
①有価証券報告書の報酬減額の虚偽記載
②私的な目的での投資金支出
③私的な目的での経費支出
この会見で西川廣人社長は、「(カルロス・ゴーン会長の)解任を(役員会に)提案するということを決断した」と述べた。この提案は22日に開かれる取締役会に提案される。
ゴーン容疑者の会長職解任は、ほぼ間違いないとみられる。
朝日デジタルオンラインの速報によると、時系列は以下のとおり。
・17時57分:東京地検がゴーン氏に任意同行を行う。
・18時54分:日産の西川社長が「会長解任提案の決断」を発表
・19時54分:ゴーン容疑者逮捕
一連の流れが早すぎる。
日産側の何人かは、ゴーン氏の逮捕を事前に知っていたと思われる。
これは素人の勝手な予想なので信用されては困るが。
ゴーン容疑者の罪状は、現在は金融証券取引法違反だけだが、特別背任罪も適用される可能性がある。
特別背任罪とは、組織運営に重要な役割を果たしている者が、自己又は第三者の利益を図ったり、組織に損害を加えたときに適応される。
所得税法違反(脱税)も適用されそうだ。50億円の多額の脱税である。日産自動車がゴーン氏へ毎年渡していた「源泉徴収票」には、有価証券報告書の記載金額が書かれているはずだ。
ゴーン容疑者は、執行猶予なしの実刑になると予想する。
(予想は外れるかも)
平成11年(1999年)6月、ゴーン氏は当時経営難にあったに日産自動車のCOO(最高執行責任者)に就任する。更に平成13年(2001)年6月、日産のCEO(最高経営責任者)に選出される。
ゴーン氏が入社した当時の日産自動車は、約2兆円の有利子負債を抱え、国内販売では46モデル中、3モデルしか収益をあげていないという散々たる状況だった。
ゴーン氏はすぐに大改革を実効していく。
日産自動車村山工場などの生産拠点の閉鎖や子会社の統廃合をし、約21000人(総従業員の14%)にあたる大幅なリストラなどを行った。
これらの改革により、日産自動車の業績はV字回復する。平成15年(2003年)6月には約2兆円あった有利子負債を全額返済する。
しかし、この業績の回復の裏には、多くの犠牲があった。
過剰なコストカットを断行したため、安全のために必要なコストまで減らしてしまい、問題になったこともあった。
ゴーン氏には「コストカッター」と言うあだ名がつけられる。
ゴーン氏は、過剰とも言えるコストカットを断行し、自らは巨万の富を得た。そして、違法行為をした疑いがある。(確定していないので、このように表現しておく)
爾(なんじ)に出ずるものは爾に反る。