令和元年5月3日付けの中日新聞の一面に、以下のような記事が載った。
三日、新元号「令和」で初めての憲法記念日を迎えた。国会での憲法論議は、自民党が昨年三月に四項目の改憲条文案をまとめて以降、衆参両院の憲法審査会で一回も議論が行われていない。改憲を性急に進める安倍晋三首相(自民党総裁)の姿勢が、静かに議論する環境を失わせ、与野党協調の上に成り立つ憲法論議が進まなくなっている。・・(以下略)
この記事にはツッコミどころが多々あるが、とりあえず2点だけ指摘したい。
「安倍総理が憲法改正を性急に進めている」と主張している点と、「安倍総理の姿勢が憲法議論を進めなくしている」という主張している点だ。
筆者は安倍内閣を支持してはいないが、中日新聞の記事の主張は明らかにオカシイと感じる。
中日新聞は、安倍総理が改憲を性急に進めていることを批判している。
しかし、現在の日本の安全保障環境は、そのような悠長なことを言っていられる状態なのだろうか?
平成31年4月(1日~25日まで)の支那公船による尖閣諸島接近状況は、接続水域入域は19日のべ78隻。領海侵入(接続水域入域の内数)は3日のべ12隻である。
情報元:海上保安庁
平成30年度の航空自衛隊の緊急発進回数は999回だ。1958年に対領空侵犯措置を開始して以来、過去2番目の多さである。推定を含め、緊急発進回数の対象国・地域別の割合は、支那機約64%、ロシア機約34%、その他約2%。
情報元:防衛省・統合幕僚監部
憲法を改正するためには、ステップは以下のとおりである。
①衆議院本会議と参議院本会議のそれぞれで、三分の二以上の議員が賛成(⇒憲法改正の発議)。なお、衆議院と参議院の順番は逆でもいい。
改憲案が国会に提出されても、いきなり本会議へは進まない。
まずは憲法審査会で採決された後に、本会議へと進む。憲法審査会は衆議院と参議院それぞれにある。
現在、憲法審査会は野党が反対して出てこないため、正常どおり開けていない状態が続いている。
開かれたとしても、「幹事の補欠選任」や「請願の審査」など、憲法改正関連法案等の審査とは関係のないことが行われている場合が多い。
また、主に日本共産党の議員から、国会の会期ごとに、大量の「請願」が提出されている。しかも、提出される「請願」は過去に提出したものと同様のものである。
貴重な憲法審査会の時間は、この請願の審査に費やされていく。
原典:憲法九条を変えず、憲法の平和、人権、民主主義をいかす政治の実現を求めることに関する請願:付託された同趣旨の請願一覧:参議院
筆者は、憲法論議が進まなくなっているのは、憲法審査会に出席しない議員。特に、同じような「請願」を何度も提出している議員に、最大の責任があると感じる。
皆さんはどのように感じているのか。Twitterでアンケートをとってみた。
中日新聞は今朝(5/3)の朝刊一面で、以下のように主張しています。
— 素人が新聞記事書いてみた (@np_ama) May 2, 2019
「改憲を性急に進める安倍晋三首相(自民党総裁)の姿勢が、静かに議論する環境を失わせ、与野党協調の上に成り立つ憲法論議が進まなくなっている。」
憲法議論が進まないのは、誰に1番の責任があると思いますか?
やはり大部分の方が、憲法審査会に出席しない議員は問題だと考えているようだ。国会議員の仕事は国会で議論することなので、この結果と当然とも言える。
いくつか意見を紹介したい。
徹頭徹尾微糖 様
テレビのワイドショーだけ見ているとあまり分かりませんが、ネット配信を見ていると国会がどんな感じかよく分かります。与党側の強行採決ではなく、特定野党側の強行反対です。国会の停滞、時間稼ぎが目的なのがよくわかります🧐
あき 様
議員って議論して決めるのが仕事じゃないのか?
KT(関西某所在住) 様
昔の悪名高き牛歩戦術を思い出すなwせめて意見ぐらいは出せよって感じ。
papasan58 様
野党が審議拒否してるから議論できてないやん 中日新聞社の役員会で社長が急がせるから取締役会は開きませんて役員が発言したらどうなるよ
yamato1945 様
何が性急なのか、中日新聞の時間軸は止まっているのか、そもそも無いのか?
戦後74年も経ってるんだよ。
世界情勢はこれ迄どう変わって
来たのか?
東西冷戦体制は崩壊、世界各地テロが横行し、新しい覇権国家が我が物顔で、日本の周囲でも横行する時代になった。
性急どころか気が狂う程遅いんだよ。
ボヤッキー 様
憲法改正はあくまでも国民投票によって決まる私達国民の権利です。
もし政府与党が民意を無視した改憲案を出せば国民が否決、そして内閣は倒れます。つまり内閣は野党やマスコミが言うような民意を無視した改憲案など実際には出せません。国民の半数以上が賛成するだろう案を出そうとしているのです。
Yuuki Yoshimoto 様
野党の憲法改正阻止工作は、明らかに国民の基本的人権を侵害しています。
国民投票で憲法改正の是非を問うのが本来の民主主義でしょう。
憲法改正に反対でもいい。
ただ、それが国益になると信じているなら、堂々と議論すべきだ。姑息な妨害工作などはすべきではない。
中日新聞の購読者は、中日新聞の記事を読んでどのように感じるのだろうか?