素人が新聞記事書いてみた

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平成時代の日本の論文、被引用数で田村浩一郎氏が1・3・4・6・11位

国際的な情報企業クラリベイト・アナリティクス(本社:米国)の日本法人は、「世界で最も引用された平成時代の日本の論文Top20」を発表した。

被引用数で、首都大学東京の田村浩一郎教授らの論文が1・3・4・6・11位と5本も入った。ノーベル賞を受賞した京都大学山中伸弥教授らの論文も5・7位に入った。

 

トップ20の論文は、被引用数で世界の上位0.001%に入り、後に続く研究に大きな影響力を与えたものと言える。ただし、研究分野により引用数には偏りがあるため、単純に「被引用数=研究成果」とは言い切れない。

対象論文は約200万本、世界の約6.8%。同社のデータベースに収録された1989年1月1日~2019年4月20日 (30年間と4ヶ月)に発表された論文を対象に分析された。被引用数は、2019年4月23日時点の数。

 

世界で最も引用された平成時代の日本の論文のトップ10は以下のとおり。左から、順位(カッコ内は被引用数)、主な研究者(敬称略)、論文内容。

1位(34785);田村浩一郎(首都大学東京)、生命情報科学の解析ツール「MEGA5」開発

2位(30804);飯島澄男教授(名城大学)、カーボンナノチューブの発見

3位(23095);田村浩一郎(首都大学東京)、生命情報科学の解析ツール「MEGA4」開発

4位(14920);田村浩一郎(首都大学東京)、生命情報科学の解析ツール「MEGA6」開発

5位(12650);山中伸弥京都大学)、iPS細胞の作製

6位(10103);田村浩一郎(首都大学東京)、生命情報科学の解析ツール「MEGA3」開発

7位(10075);山中伸弥京都大学)、ヒトiPS細胞の作製

8位  (9054);旭良司・森川健志(豊田中央研究所)、可視光で働く光触媒の開発

9位  (8406);金久實(京都大学)、生命情報データベース「KEGG」開発

10位(7967);田嶋文生(東京大学)、進化における自然選択の有無を調べる統計手法の開発

情報元:「平成」時代のブレークスルー:世界で最も引用された平成時代の日本の論文Top20 - クラリベイト・アナリティクス

 

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1・3・4・6・11位となあった田村浩一郎教授らの論文は、生命情報科学の解析を行うソフト「MEGA4」の開発に関するものである。

MEGA (Molecular Evolutionary Genetics Analysis)とは、DNA、タンパク質配列データの分子進化・系統学的解析を行うためのフリーのソフトウェアである。シークエンサーのファイル(ab1, abi, scfなど)を直接読み込めるため、波形データと配列データを一緒に解析できるのが特徴。WindowsMac OSLinuxマルチプラットフォームで使用可能である。

 

上位に入った研究の多くは、成果がでるまでに長い時間がかかっている。

日本は高度経済成長期から昭和後期にかけて、科学技術発展のための投資を積極的に行っていた。これらはその成果と言える。

 

近年の研究の特徴として国際協力が進んでいる。平成21~30年の上位50本の論文のうち、約8割は海外の研究者と協力して行っている。

国際公著論文は被引用数が増加しやすい傾向にあるが、信頼できる相手と組むことが絶対条件である。