米国労働省は4日、2019年9月期の雇用統計を発表した。
失業率は3・5%と、1969年12月(3・5%)以来49年9カ月ぶりの低水準となった。失業率4%以下は19カ月連続。
非農業部門就業者数は前月から13万6000人増加。前月(16万8000人増、改定後)より伸びは緩やかとなった。
情報元:Statement by U.S. Secretary of Labor Scalia on the September Jobs Report | U.S. Department of Labor
米雇用統計は、U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics(=米国労働省)が毎月第1金曜日発表する経済指数である。
全米の企業や政府機関などに対し調査を行い、失業率や非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、週労働時間、平均時給など10数項目の統計が発表される。
同統計の中でも「失業率」と「非農業部門就業者数」の2項目は特に注目され、為替相場や株価、金利などに大きな影響を与える。FX(外国為替証拠金取引)をやっている人たちには、最も重要なイベントである。
最近の米雇用統計は日本にとっても重要である。
米支貿易摩擦と来年の米大統領選挙に影響するという2つの特殊事情があるからだ。
2019年10月5日現在、米国は支那からの輸入品約2500億ドル相当分に25%、輸入品約3000億ドル相当分の一部に15%の追加関税をかけている。
10月15日には約2500億ドル相当分の追加関税を25%から30%にあげ、12月15日には「約3000億ドル相当分の残り」にも15%の追加関税をかける予定である。
これらの追加関税を発動するには、米国の景気が良い状態である必要がある。
未来のことはわからないが、米国が支那に対して更に追加関税をかけるのはほぼ確実な状態だ。
経済、特に雇用は大統領や政権与党の支持率に大きな影響を与える。
日本としては、米国の大統領は民主党より共和党の方がいい。歴史を見れば明らかである。日米戦争が始まったのも民主党の大統領の時だ。
米国のエコノミストの多くは、来年上旬あたりから雇用情勢は悪化していくと予想している。
米大統領選は2020年11月3日。それまでは失業率が低い状態を維持してほしいものである。
今後、重要となる経済政策は「政策金利」である。政策金利を下げると、経済活動は活発になる。
連邦準備制度理事会(FRB)が今月29、30両日に行う金融政策会合で、追加利下げをするか否か直近のポイントだ。
最近の米国の経済政策は、今まで以上に政治との繋がりが増している。
そして、支那の運命は米国の経済状況により大きく変わる。