スペインで10日、今年2度目の総選挙(下院、定数350)が行われた。
新興の極右・ボックス(Vox)が4月の選挙の倍以上の議席を獲得し、第3党となった。
一方、サンチェス首相率いる中道左派・社会労働党は、第1党を維持したものの議席を減らした。
スペイン世論は「自国第一主義」が強まってきた。
スペイン総選挙(定数350)
主な政党の獲得議席数
カッコ内は改選前議席数、上ほど左派ポデモス 35(35)
社会労働党120(123)
市民 10(57)
国民党 88(66)
Vox 52(24)
ボックス(Vox)のサンティアゴ・アバスカル党首、出典:Wikipedia
ボックス(Vox)は、中道右派・国民党の元党員らが中心となって、平成25年(2013年)に設立された政党。現在はサンティアゴ・アバスカル氏が党首。
政策は保守的。不法移民やカタルーニャ州の独立に反対の立場を取っている。更に、同性婚の廃止や伝統的行事の重要性も訴えている。
同党は今年4月の総選挙で、初めて国会の議席を獲得した。そして、今回の選挙で改選前の24議席を大きく上回り、52議席を獲得(得票率は15%)。国政第3党に躍進した。
Voxのアバスカル党首は10日夜、マドリードにある同党本部で支援者を前に、「皆さんが政治的偉業の主役だ」と笑顔で勝利宣言をした。
スペインは現在は左派政権だが、同党の躍進により、今後、求心力を失っていくのは濃厚。今後、スペインの政局は不安定になるとみられる。
未来のことはわからないが、Voxが第1党になる可能性は十分にある。
自国第一というのは本来は当たり前のことだ。もちろん、他国に迷惑をかけてはいけないが。
この流れは今後、世界の潮流となっていくだろう。左派政党には厳しい時代がやってくる。
世界政治は、グローバル化の時代から、米支の新冷戦へと移り変わっている。