李登輝(り とうき)元台湾総統が30日夜、入院先の台北市内の病院で死去した。97歳。
本省人(台湾出身者)初の総統。同時に、初めて直接選挙で選ばれた総統。台湾の民主化に尽力した。
親日派。日台友好の懸け橋となった。日本統治時代に使用していた名は岩里政男(いわさと まさお)。
私達が心から敬愛する李登輝元総統がご逝去されました。李元総統は台湾の人々とともに歴史的挑戦を幾度も乗り越えてきました。台湾に民主自由を残し、今後も私達を勇気づけてくれることでしょう。李元総統の遺志を継ぎ「台湾に生まれた幸福」を追求し続けます。
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) 2020年7月30日
李氏は今年2月、牛乳が気管に入り台北市内の病院に緊急入院し、治療を続けていた。
今月28日夜、容態が急変したとの情報が流れた。翌29日午前には蔡英文(さい えいぶん)台湾総統らが病院を訪れ、李氏を見舞った。
李登輝・元台湾総統、出典:Wikimedia Commons
李氏は大正12年(1923年)1月15日、台湾北部の台北州(現:新北市)で生まれた。当時、台湾は日本の統治下だった。
終戦後は農業経済学を研究。昭和43年(1968年) には米国のコーネル大学より農業経済学博士号を取得した。
昭和46年(1971年)に国民党に入党。その後、台北市長、台湾省政府主席、副総統を歴任。
昭和63年(1988年)1月13日、蒋経国(しょう けいこく)総統の死去により総統を継承した。今まで台湾総統は外省人(台湾に移住した大陸人)だった。李氏は、本省人(台湾出身者)初の台湾総統となった。
総統時には、憲法改正や万年国会の解消などの政治改革断行。国民党の独裁体制を解くことに成功した。反日教育も止めさせた。
平成8年(1996年)、台湾初の総統直接選挙を実施。当選し第9期総統に就任した。
平成12年(2000年)まで約12年間、台湾総統を務めた。
李登輝氏は平成19年に訪日した際、日本外国特派員協会で開かれた記者会見で、「靖国問題は支那やコリアがつくったおとぎ話」だとした。
台湾が領有権を主張している尖閣諸島も「沖縄県に属する日本固有の領土」と主張した。
李登輝氏がいなかったら、日台の友好関係はない。台湾も支那に侵略されていたかもしれない。
李登輝氏のご冥福をお祈りいたします。