東南アジア諸国連合(ASEAN)は13日、前日にオンライン形式で開いた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)閣僚会議の議長声明を公表した。
支那が侵略を進める南シナ海情勢について、草案段階にあった「力の不行使」を直接促す表現は削除された。
同じく草案段階にあった「複数の閣僚が懸念」の表現は盛り込まれた。
東南アジア諸国連合地域フォーラムとは、アジア太平洋地域の安全保障環境向上を目的としたフォーラムである。略称は「ARF」。
毎夏の東南アジア諸国連合(ASEAN)外務大臣会議に合わせて、閣僚会議が開催される。第1回は1994年。
参加国・組織はASEAN10か国に加え、日本や米国、支那など16カ国と欧州連合(EU)。
東南アジア諸国連合地域フォーラム閣僚会議
ARFの今年の議長国はベトナム。
同国のミン副総理兼外務大臣は冒頭、「今日の会議は私たちの地域、そして世界で、重大かつ複雑な変化が続いているなかで開かれる」と述べた。
その上で「私たちに課された重要な役割は建設的な対話と協力を作り出すというフォーラムの役割を全うする努力を続けることだ」とし各国に協力を呼びかけた。
閣僚会議では、南シナ海情勢が主要議題となった。
これに対し、常設仲裁裁判所は「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下している。
米国は「完全に違法だ!」と指摘した。
日本の茂木敏充外務大臣も、「インド太平洋の広大な海を自由で開かれた海とすることは、我々の共通の利益だ」と述べ同調した。
他に数カ国の外務大臣が、南シナ海における支那の侵略に「懸念」を表明した。
茂木氏は支那に対して、香港の「一国二制度」を守るように指摘した。これには多くの国が賛同した。
北朝鮮に対しては、拉致・ミサイル・核の問題を指摘。参加各国に連合国(国連)安全保障理事会決議による北朝鮮への制裁を守るように呼びかけた。
ARFは支那に対して、当初予定していたより強い批判をしなかった。
筆者はその理由を、支那の工作(侵略)が進んでいるからだと思う。
日本にも支那のスパイのような輩がいるが、ASEAN諸国での支那の工作は日本以上に進んでいる。
南シナ海情勢の当事国であるフィリピンは、支那の侵略を容認する構えだ。
フィリピンは、支那が開発する新型コロナウイルスのワクチンを優先的に提供してもらうこととなっている。
支那はフィリピン以外にも、タイやベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーにも優先的に提供するとしている。
支那の侵略を抑え込むには、各国の連携が必要不可欠である。しかし、現状でそれができるとは筆者には思えない。
この予想が外れてくれるといいのだが...