午前に、文仁親王殿下が皇位継承順位第1位たる皇嗣となられたことを内外に宣明する儀式「立皇嗣宣明の儀(りっこうしせんめいのぎ)」が行われた。
午後には、文仁親王殿下が天皇皇后両陛下にあいさつする「朝見の儀(ちょうけんのぎ)」が行われた。
立皇嗣の礼は、憲政史上初めて行われた。
当初は4月の予定だったが、新型コロナウイルス感染症のため延期されていた。規模は縮小された。
賓客と食事を共にする祝宴「宮中饗宴の儀(きゅうちゅうきょうえんのぎ)」は、事前に中止となっていた。
「立皇嗣宣明の儀」で天皇皇后両陛下にお言葉を述べられる文仁親王殿下、宮内庁提供
午前11時すぎから、皇居・宮殿「松の間」で、立皇嗣の礼の中心的儀式「立皇嗣宣明の儀」が行われた。
天皇皇后両陛下を始め、文仁親王同妃両殿下、皇族方、内閣総理大臣など三権の長など約50人が正装で臨んだ。
天皇陛下は「文仁親王が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と仰せになられた。
文仁親王殿下は「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と決意を表明になられた。
その後、菅総理大臣が「寿詞(よごと)」と呼ばれるお祝いのことばを述べた。
立皇嗣宣明の儀は15分ほどで終わった。
立皇嗣宣明の儀が終わると、天皇陛下は歴代の皇嗣(皇太子など)に伝わる「壺切御剣(つぼきりぎょけん)」と呼ばれる守り刀を、文仁親王殿下にお授けになられた。
午後4時半すぎからは、皇居・宮殿「松の間」で、「朝見の儀」が行われた。
天皇陛下は「国民の期待に応え、皇嗣としての務めを立派に果たしていかれるよう願っています」と仰せになられた。
その後、天皇皇后両陛下が文仁親王殿下、同妃殿下の順に、それぞれさかずきを授けられるなどして儀式は終わった。
これで、皇位継承に伴う一連の国家行事は全て終了した。
皇室の一層の御繁栄をお祈り申し上げます。