11月23日は新嘗祭(にいなめさい)だ。
戦前には同名の祭日(休日)があった。
平成の大嘗宮(平成2年)、原典:外務省
新嘗祭とは、毎年11月23日に行われる、神道における祭祀(さいし)である。
天皇陛下が新穀を皇祖はじめ神々にお供えになられ、神恩を感謝された後、自らもお召し上がりになられる。宮中三殿の近くにある神嘉殿(しんかでん)で執り行われる。
お供えになられる新穀には、天皇陛下が自らご栽培になられたものもある。
なお、天皇陛下が御即位後に初めて行う新嘗祭を「大嘗祭(だいじょうさい)」という。
新嘗祭は同日、全国の神社でも行われる。
神社は神道における祭祀施設である。神社は登録されていないものも含めれば、全国に10万超ある。
伊勢神宮 内宮・別宮倭姫宮(やまとひめのみや)、出典:Wikipedia
新嘗祭は最も重要な祭祀であると同時に、最も長い歴史をもつ。新嘗祭の儀式の中には、弥生時代に起源を持つと考えられるものもある。
新嘗祭の儀式の形が定まったのは、7世紀の皇極天皇の頃である。この時にはまだ、新嘗祭と大嘗祭を区別してはいなかったが。
新嘗祭は応仁の乱により中断したが、その後復活し、現在まで続いている。
戦前の日本の休日には「祭日」と「祝日」があった。祭日は、宗教儀礼上重要な祭祀を行う日である。
昭和23年(1948年)、新嘗祭は廃止された。11月23日は祝日「勤労感謝の日」となった。
新嘗祭が廃止となったのは、日本が戦争に負けたからである。
戦勝国の意向により、新嘗祭を含む祭日は全て廃止となった。祝日も変えられてしまった。
こんなにありがたいことはない。
これらの事実を、一人でも多くの国民に知ってもらいたいものである。