宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、小惑星探査機「はやぶさ2」から分離されたカプセルをオーストラリア南部の砂漠で回収したと発表した。
カプセルには、小惑星「リュウグウ」で採取した試料(砂や石など)が入っているとみられる。
2010年、小惑星探査機「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」に着陸し試料の採取に成功した。地球重力圏外にある天体からの試料採取は世界初だった。
小惑星探査機「はやぶさ2」はこの後継機。小惑星「リュウグウ」への着陸および試料採取を目的としていた。
小惑星「リュウグウ」は太陽の周りを475日の周期で回っている。軌道のほとんどは地球と火星の間だが、地球の内側や火星の外側になるときも時々ある。
大きさは約900mで、形は丸型に近い。
リュウグウには、水や有機物を含む物質があると考えられている。
2014年12月、小惑星探査機「はやぶさ2」はH-IIAロケットにより打ち上げられた。
2019年6月、地球から約3億km離れたリュウグウの上空に到着。
2019年2月と7月に、リュウグウに着陸し試料を採取したとみられる。同4月には地表に弾丸を撃ち込み、地中の物質を露出させる実験にも成功した。
2019年11月 、地球へ向け帰還を開始。
2020年12月5日午後、地球上空でカプセルを分離した。このカブセルにはリュウグウで採取した試料が入っているとみられる。
「はやぶさ2」から分離されたカプセルが大気圏に突入した際の様子、JAXA提供
カブセルは翌6日2時半頃、大気圏に突入した。この時、最高3,000度ほどの熱が発生したため、流星のように光る「火球」となった。
その後、パラシュートで減速し、オーストラリア南部ウーメラ地区の砂漠に舞い降りた。
カブセルは同日7時頃、回収された。
今後は地球と火星の間を回る小惑星「1998KY26」の探査に向かう。到着は2031年7月ごろ。
素晴らしい!
科学予算はこういう事のために使うべきだ。
「軍事目的のための科学研究は行わない」などと戯言を言っている連中の分も、こちらに回すべきだ。