厚生労働省は14日、米国の製薬会社ファイザーが申請していた新型コロナウイルスワクチンの製造販売を特例承認した。
新型コロナウイルスワクチンの承認は、国内では初めて。
2月17日から、医療従事者を対象に先行接種を始める予定。
政府はファイザーと、年内に1億4,400万回(2回の接種で7,200万人分)の供給を受ける契約を結んでいる。
特例承認とは、以下の3つの要件を満たす医薬品について、臨床試験を除く承認申請資料を、承認後に提出しても良いとする制度
- 疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要
- 当該医薬品の使用以外に適切な方法がない
- 海外で販売等が認められている
ファイザーの新型コロナウイルスワクチン、出典:Wikipedia
ワクチンは「コミナティ筋注」という販売名。
接種対象は16歳以上。接種は2回で、1回目の接種から3週間後に2回目を受ける。
接種は「筋肉注射」で行われる。長めの針を肩に近い部分に垂直に深く刺す。
接種当日に発熱がある人、重い病気がある人、同ワクチンの成分でアレルギー反応がでた人などは接種できない。接種は強制ではないため辞退できる。
費用は国が負担するため無料。
ファイザーは同ワクチンを、ドイツの製薬会社ビオンテックと共同開発した。
ウイルスの遺伝情報を担うRNA(リボ核酸)の一部を体内に入れ、抗体を作るという今までにないタイプ。
ファイザーによると、同ワクチンの治験には4万3,661人が参加し、予防効果は約95%だった。
ワクチンを接種した人で、死亡や深刻な副作用の発生はなかった。軽微な症状として、倦怠感が3.8%、頭痛が2.0%。
人口900万人弱のイスラエルでは2月11日までに、約380万人が1回目の接種を終え、約240万人が2回の接種を完了してしている。
クラリット・ヘルス・サービスによると、予防効果は約94%だという。ワクチンの有効性は全年齢で変わらないという。
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、100万接種に5例(0.0005%)ほどの割合で「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー反応が出るという。
接種部位の痛みや疲労が半数以上で出るが、大部分は数日以内に消える。
ワクチン接種の予定は、2月17日から約1~2万人の医療従事者を対象に先行接種を開始。
3月中旬からは、新型コロナウイルス感染症の患者と接する医療従事者など約370万人の接種を開始。
4月1日以降、65歳以上の人を優先的に接種。
なお、3月下旬以降に市区町村から「接種券」が届く。
新型コロナウイルスワクチンは接種すべきか?
これは個人の判断による。
当然、過去にアナフィラキシー症状を経験した人や、重い病気がある人は接種すべきではない。
不安に思っている人も、判断は一時保留にした方がいいだろう。かかりつけ医がいれば、相談してみるといい。
筆者は迷わず接種する。
世界には、接種が後回しとなる国がたくさんある。これが世界の現実だ。
日本に住んでいるということは、それだけで幸運なことなのだ。