トヨタ自動車は19日、国内外で大規模な生産調整を行うことを発表した。
9月には計画の4割減にあたる、約36万台を減産する。
東南アジアで新型コロナウイルスが感染拡大しているため、部品が調達できないという。
トヨタ・ヤリス(日本仕様)、令和3年上期に最も販売された車種、出典:Wikipedia
トヨタ自動車は、9月の生産台数を90万台弱と予定していたが、50万台前半にまで減らす。
約36万台の減産となり、地域別内訳は日本14万台、北米8万台、支那8万台、欧州4万台など。
トヨタ自動車は国内に14工場を保有しているが、全工場で一時操業を停止する。
元町工場の「少量ライン」は8月24日~9月末まで停止となる。
一方、堤工場の「第2ライン」などのは停止は1日のみ。
操業を停止する日数は、生産ラインにより異なる。
重要な生産拠点となっている東南アジアでは、新型コロナウイルスが感染拡大により、都市封鎖(ロックダウン)が相次いでいる。
このため、現地の取引先から部品を調達できなくなっている。
トヨタ自動車は、今年度の生産計画は変更せずに維持するとしている。
不足している部品は主に半導体だ。
現在、半導体は世界的に不足している。コロナによる生産量の減少に加え、家電の販売が伸び、こちらに多く使用されている。
自動車の部品不足による生産減は、当面続くとみられる。
日本を始め、世界のメーカーは近年、サプライチェーンの多くを海外に頼ってきた。
サプライチェーン:製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのこと
サプライチェーン在り方を、再考する時期に来ているのではないだろうか?
筆者は、できる限り国内で賄えるようにしてほしいと願う。