毎日新聞の発行部数が200万部を割ったとみられる。
同紙は最盛期と比べ、発行部数を4割ほどにまで減らした。ここ4年では100万部以上減。
毎日新聞朝刊(令和3年9月23日付)
日本ABC協会によると、毎日新聞の令和3年(2021年)7月の販売部数は199万9439部。前月比で約3000部、前年同月比で約11万8000の減少だったという。
翌8月も199万3419部で、前月比で約6000部、前年同月比で約10万4000部の減少。
新聞の発行部数は毎月増減するが、毎日新聞のここ数年の状況を見る限り、200万部割れは「ほぼ確実」とみていいだろう。恐らく、200万部を回復することはない。
なお、新聞の「発行部数」とは、新聞社から新聞販売店に送られた新聞の部数である。
新聞販売店に送られても、配達されず廃棄される新聞もある。毎日新聞の場合は3割ほどとみられるので、毎日新聞の配達部数は現在140万部前後と思われる。
東京日日新聞創刊号、出典:まちかどの西洋館別館・古写真・古絵葉書展示室
毎日新聞は、毎日新聞社(毎日新聞グループホールディングス傘下)が発行している日刊紙。
明治5年(1872年)3月29日に創刊した『東京日日新聞』が前身で、日本国内で一番歴史のある新聞と言われている。
昭和18年(1943年)に、現在の『毎日新聞』という名称になった。
毎日新聞の発行部数が最も多かったのは、昭和48年(1973年)で488万部。
その後、発行部数は緩やかに減少し、平成7年(1995年)に400万部を割った。
平成29年(2017年)までは300万部を維持していたが、ここ4年で一気に100万部以上減少した。
近年、新聞各紙は発行部数を減らしているが、全国紙では毎日新聞が最も減少幅が大きい。
「百人斬り」の記事。このような事実はないが、この記事が証拠とされ野田巖少尉 (左)と向井敏明少尉(右)は死刑となった。
筆者の脳裏に、鎌倉時代に成立したとされる『平家物語』の冒頭部分が浮かんだ。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。
簡単に言うと、「世の中は絶えず動いている。調子にのっている奴はいずれ凋落するだろう」という内容である。
平家物語では最後に平家が滅亡する。
筆者には毎日新聞のことを言っているように思えた。