田辺三菱製薬は30日、植物を使った新型コロナウイルスワクチンについて、10月2日から国内で治験(臨床試験)を開始すると発表した。
ヒト向けの植物由来ワクチンは世界初。
令和4年(2022年)3月までに国に承認申請、令和5年(2023年)3月までに実用化を目指すという。
ワクチンは、カナダにある同社の子会社「メディカゴ社」が開発した。
タバコ属の葉にウイルスの遺伝子を組み込み、葉の細胞でVLP(ウイルス様粒子)を生成する。ワクチンの生産に必要な期間は5~6週間ほど。
大量生産が可能で、変異株にもすばやく対応できるという。また、現在のコロナワクチンは基本的に氷点下での保存が必要だが、このワクチンは2~8度と保存温度が高い。
ワクチンは既に、カナダや米国、英国、ブラジルなどで約24,000人を対象に、最終の治験(第2/3相臨床試験の第3相パート)を行ったという。
現在までに重い副反応は確認されていない。
新型コロナから回復した人と比較すると、ワクチン接種者からは10倍以上の抗体が確認されているという。
日本では10月2日から、20歳以上の男女145人を対象に治験(第1/2相臨床試験)を実施する。
日本人に対しても安全性と有効性を確認した後、承認申請する予定。
情報元:新型コロナウイルス感染症ワクチン候補MT-2766の日本における臨床試験の開始について | 田辺三菱製薬株式会社
田辺三菱製薬の新型コロナウイルスワクチンは「VLPワクチン」だ。ウイルスのゲノムを含まない、外殻たんぱく質のみを精製する。
VLPワクチンはB型肝炎ワクチンをはじめ、既に様々なものが実用化されている。
ただ、植物から作られるVLPワクチンは、まだ実用化されていない。
新型コロナウイルスの大流行は、人類にとっては不幸な出来事だった。
しかし、この出来事により人類の科学技術は飛躍的に進歩した。
世の中というのは、無慈悲だ...