米国・ウィスコンシン大学のダドリー・ラミング博士らの研究グループは、マウス実験で「餌の量と回数を減らすと長生きする」という研究結果を公表した。
マウスの寿命は2年強だが、条件により半年は長くなるという。
実験に使われるマウス、出典:米国・国立ヒトゲノム研究所
研究グループはマウスを以下の4群に分け、健康状態や寿命などについて調査した。
- 摂取カロリー:制限なし、食事頻度:制限なし
- 摂取カロリー:30%減、食事頻度:制限なし
- 摂取カロリー:制限なし、食事頻度:1日1回
- 摂取カロリー:30%減、食事頻度:1日1回
結果、それぞれの群で以下のような効果が確認された。
「摂取カロリー:30%減、食事頻度:制限なし」では、血糖値コントロール能力の改善。
「摂取カロリー:制限なし、食事頻度:1日1回」では、血糖値コントロール能力の改善、脂肪からのエネルギー産生の効率化、寿命が少し長い。
「摂取カロリー:30%減、食事頻度:1日1回」では、血糖値コントロール能力の改善、脂肪からのエネルギー産生の効率化、老年期の虚弱からの保護、寿命が長い。
「摂取カロリー:30%減、食事頻度:1日1回」のマウスは、1日のうち21時間ほど空腹の状態だったという。
寿命に関しては、他群のマウスより半年ほど、食事制限をしなかった群より8カ月ほど長かった。
研究グループは「カロリー制限の利点を最大化するには、食事頻度の制限が必要である」と結論付けた。
また、今回の研究結果がヒトにも適用できるか否か、調査したいとしている。
ケンブリッジ大学で代謝について研究しているスティーブン・オライリー博士によると、ヒトで調査するには「50年以上の期間が必要かもしれない」という。
ヒトで実験しても、似たような結果になると筆者は予測する。もちろん、筆者の予測が外れる可能性も十分にある。
人類が誕生したのが200~800万年前、現生人類(ホモ・サピエンス)が誕生したのは約20万年前と言われている。研究者により、見解に相違はあるが。
人類が一部の国・地域の人々を除き、腹いっぱい食えるようになったのは、ここ50年ほどである。
日本でもカロリー過多により、高血圧や関節痛、高脂血症、糖尿病、痛風などになる人が増えている。これらの習慣病は、重大な病気を引き起こす。
人類が腹いっぱい食えなかった時代には、ほとんど無かったことである。
皮肉だ...