静岡県伊東市の「伊豆高原メガソーラーパーク発電所計画」に反対する住民らの団体「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」が、伊東市が伊豆メガソーラーパーク合同会社に対して許可した宅地造成法等規制法に基づく変更許可の取消を求める訴訟。
静岡地裁は24日、訴えを却下した。増田吉則裁判長は、原告の住民41人には原告適格がないとした。
原告側は東京高裁に控訴する方針。
「伊豆高原メガソーラーパーク発電所計画」は、静岡県伊東市の山林に大規模太陽光発電施設を建設するというもの。
森林43ha(東京ドーム9個)ほどを伐採し、12万枚弱の太陽光パネルを敷設する。発電量は約40.7MWを予定している。
「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」によると、大規模太陽光発電施設の建設予定地は、溶岩台地の上に岩砕・軽石などが降り積もった吸水性と透水性が高い山地だという。
森林が広範囲に伐採され、大規模な造成工事とパネルの敷設を行えば、土砂災害を引き起こす可能性があるという。加えて、調整池や川の氾濫などを引き起こす恐れもあるという。また、調整池には設計に不備があるという。
「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」は、このまま計画が進めば、下流域に住む多くの住民の生命や財産が重大な危険に晒される懸念があるとしている。
静岡地裁の判決では、原告の住民41人が土砂災害などで直接的な被害を受ける危険はないとして、原告適格を認めなかった。
#伊豆高原メガソーラー の宅地造成法取り消し訴訟は、静岡地裁では残念ながら原告適格が認められず、伊東市の許可の違法性を問う前に阻まれてしまいました。原告の皆さんとも相談し、控訴して再度挑みたいと思います。まずは、判決文を精査して戦略を立て直します。今後も応援をよろしくお願いします。
— 伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会 (@izukougenms) 2021年12月24日
「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」は「静岡地裁では残念ながら原告適格が認められず、伊東市の許可の違法性を問う前に阻まれてしまいました」とツイートした。
筆者は建設予定地を知らないが、原告住民41人が「被害を受ける範囲に住んでいない」という静岡地裁の判断には疑問を感じる。
そもそも、「伊豆高原メガソーラーパーク発電所計画」には、25,000筆を超える反対署名が集まっている。
多くの住民が反対しているものを、ゴリ押して建設すべきではない。