米国・アラバマ大バーミンガム校の研究グループは20日、ブタの腎臓を脳死した男性に移植する実験をした、と発表した。
移植された腎臓は実験が終了する77時間後まで、動き続けたという。
ブタの腎臓をヒトに移植するイメージ図
アラバマ州に住む57歳の男性がバイク事故にあい、脳死状態となってしまった。
男性は事故前に臓器提供の意志を示していたが、男性の臓器は提供には適していなかった。今回、家族が移植実験に同意しため実行したという。
研究グループは男性の腎臓を摘出し、10個の遺伝子を改変したブタの腎臓2個を移植した。
腎臓は美しいピンク色になったという。
1個の腎臓は23分後に尿をつくり始め、実験が終了する77時間後まで動き続けたという。
もう1個の腎臓も尿はつくったが、微量だった。
問題となる拒絶反応は起きなかった。なお、ヒト同士の移植と同様に免疫抑制剤は使用。
研究グループは将来的に、腎臓病患者への臨床試験を目指している。
このような実験には批判も多いが、移植が必要な腎臓病患者には希望の光である。
移植を承諾した男性のご家族に対し、筆者は心から敬意を表します。