「保守」とは、従来からの伝統・制度などを尊重する考え、若しくは、そのよう考えの人を指す言葉である。
現状を大きく変えようとする「革新」の対義語であり、共に政治用語として使われることが多い。
「保守」にも様々な考えの人がいるが、筆者は以下の2種類に大別できると思う。
- 自らの正義を優先する保守
- 法律や社会規範を優先する保守
同じ保守でも、両者は全くの別物といえる。その違いを実例をあげて比較してみよう。
昭和62年(1987年)5月3日、目出し帽をかぶった全身黒装束の男が朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)を訪れ、散弾銃を発砲。朝日新聞の小尻知博記者(享年29歳)が殺害され、犬飼兵衛記者(当時42歳)が重傷を負わされた。
5月6日、時事通信社と共同通信社の両社に「赤報隊一同」の名で犯行声明が届いた。
「朝日新聞阪神支局襲撃事件」である。なお、犯人は現在も捕まっていない。
保守のほとんどは、朝日新聞が大嫌いである。しかし、この事件を起こした赤報隊に対しては、保守でも評価がわかれる。
称賛するのが「自らの正義を優先する保守」で、そのような事はすべきではないと考えるのが「法律や社会規範を優先する保守」である。
これは保守だけでなく、革新にも同様のことが言える。
よって、日本における主な政治思想(イデオロギー)は、最も多い政治に無関心な層を除くと、以下の4種類に大別できる。
- 自らの正義を優先する保守
- 法律や社会規範を優先する保守
- 自らの正義を優先する革新
- 法律や社会規範を優先する革新
保守が革新への政治思想を変えた場合、「自らの正義を優先する保守」は「自らの正義を優先する革新」へ、「法律や社会規範を優先する保守」は「法律や社会規範を優先する革新」へと変わる。
その逆も然りだ。
そういう筆者も、以前は「自らの正義を優先する保守」だった。
しかし、教育勅語や二・二六事件などを知り、「法律や社会規範を優先する保守」へと考えが変えた。
筆者が今回の記事を書いた理由は、以下のツイートである。
ツイートをした彼は保守だが、革新的な政策をする岸田総理を憎んでいるようだ。
マジで今なら、岸防衛大臣がクーデター起こしたら
— 闇のクマさん世界のネットニュース (@CYXuAxfGlfFzZCT) 2022年1月21日
ガチで全力応援する。
クーデターとは、一般に暴力的な手段の行使によって引き起こされる政変のことを言う。
昭和11年(1936年)に起きた二・二六事件は、クーデター未遂事件である。皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らにより5人が殺害された。
昨年にミャンマーで起きたクーデターでは、800人を超える人が亡くなっている。
上記のツイートには、多くの保守が賛同している。本来、日本を発展させる原動力をなるべき保守がこのような状態では...
このままでは、日本は支那はおろか、韓国にすら負ける...筆者にはそんな予感がした。
この不吉な予感が外れてくれることを...願うばかりだ。