今日はグリコ・森永事件、別名「かい人21面相事件」が完全犯罪となった日だ。
平成12年(2000年)2月13日、愛知青酸入り菓子ばら撒き事件が時効を迎え、グリコ・森永事件の全ての事件で時効が成立した。
警察庁広域重要指定事件では、初の未解決事件となった。
大阪府県が公開した「グリコ・森永事件」の重要人物の似顔絵、通称「キツネ目男」、出典:アジア南溟通信
グリコ・森永事件とは、昭和59年(1984年)から翌年にかけ、食品会社を標的とした一連の脅迫事件である。主に大阪府と兵庫県で発生した。
昭和59年(1984年)3月18日午後9時頃、江崎グリコの江崎勝久社長が西宮市の自宅で子供たちと入浴中、全裸のまま拉致された。
翌日、犯人は身代金として現金10億円と金100kg要求。
3月21日、監禁されていた社長が自力で脱出。大阪貨物ターミナル駅で無事に保護された。
だが、これはほんの始まりに過ぎなかった。
4月2日、江崎グリコ社長宅に脅迫状が届いた。犯人は6,000万円を要求。
4月8日、犯人グループから毎日新聞(大阪)とサンケイ新聞へ手紙が届く。犯人からマスコミへの1回目の挑戦状。
4月10日、グリコ本社などで連続放火事件が発生。
4月12日、警察庁が一連の事件を「広域重要114号事件」に指定。
4月23日、犯人からマスコミへの2回目の挑戦状。ここで犯人は「かい人21面相」と初めて名乗った。
この後、犯人は丸大食品、森永製菓、ハウス食品、不二家、駿河屋など食品会社を次々と脅迫。
何度も現金を要求したが、犯人は一度も引き渡し場所に現れなかった。
犯人と思しき人物は何度か目撃されたが、逃げられてしまった。
昭和60年(1985年)8月12日、犯人から「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」と、突然の終息宣言が出された。
理由は、5日前(8月7日)に自殺した滋賀県警本部長への香典代わりだという。
平成12年(2000年)2月13日午前零時、青酸入りの菓子をばらまいた2件の殺人未遂事件とこれにかかわる28件全てで、時効が成立。
事件の捜査に関わった捜査員の延べ人数は130万人を超えたが、「グリコ・森永事件」は完全犯罪となった。
グリコ・森永事件の犯人については、食品会社関係者、株価操作を狙った仕手グループ、非差別部隊関係者、北朝鮮工作員、元左翼活動家、警察官関係者など、多くの陰謀説がある。
しかし、真実は闇の中だ。
この事件を風化させてはいけない...と筆者は思う。