素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

膵島細胞増殖・糖尿病マウス治療、東京大学が成功

東京大学の山田泰広教授らの研究グループは、膵島(すいとう)細胞の増殖に成功したと発表した。

糖尿病マウスの血糖値を、正常に近い水準にまで下ることにも成功。

糖尿病の根本治療につながると期待される。

 

f:id:newspaper-ama:20220212103713j:plain

膵島(H-E染色)、出典:Wikipedia

 

膵島(すいとう)細胞とは、膵臓内に、島の形状で散在する「膵島」に存在する細胞。「ランゲルハンス島細胞」とも言う。

膵島細胞はα細胞、β細胞、δ細胞、ε細胞、PP細胞の5つの細胞とランゲルハンス島内に栄養を運ぶ血管により構成される。

β細胞は、ヒト体内では唯一、血糖値を下げるホルモン「インスリン」を分泌する。β細胞が十分に分泌されなくなると、糖尿病の原因となる。

 

膵島細胞は出生前後において活発に増殖するが、成熟した膵島細胞ではほとんど増殖しない。

 

f:id:newspaper-ama:20220212115830p:plain

MYCL発現によるマウス・ヒト膵島細胞の増幅

 

研究グループは、出生前のマウスの膵島細胞で遺伝子「MYCL」が発現していることを発見した。

また、ヒトiPS細胞から膵島細胞様細胞への分化過程においても、MYCLが一過性に発現していることも突き止めた。

 

研究グループが、成体のマウスから分離した膵島細胞でMYCLを発現させたところ、活発な増殖が見られた(図左上)。

マウスの生体内(図左下)や、脳死ドナー由来のヒト膵島細胞(図右下)でも同様の結果が出た。

 

研究グループは、糖尿病のマウスに、MYCLにより試験管内で増幅させた膵島細胞を移植してみた。

すると、血糖値は正常に近い水準にまで下がったという。

 

研究グループは、糖尿病の根治を目指した新たな再生治療法となることを期待しているという。ただし、ハードルは高い。

研究成果は令和4年2月10日、英国の医学誌「Nature Metabolism」(オンライン版)に掲載された。

情報元:MYCL-mediated reprogramming expands pancreatic insulin-producing cells | Nature Metabolism

 

糖尿病の患者は、世界に4億人以上いるとも言われている。

しかし、現在の治療法は、インスリン製剤投与などの対症療法が主流だ。

 

この研究が進み糖尿病を完治できるようになったら、どれほど多くの人が救われることだろうか...

怪しい教授より、こういう研究をしている人達を大切にしてほしい...と筆者は切に願う。