ファイザー製の新型コロナワクチンを2回接種した人が、3回目の接種をした場合。
3回ともファイザー製を接種した人より、モデルナ製を接種した人の方が「抗体は増える反面、副反応がでやすい」ことがわかった。
2月18日に開催された厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)で、調査結果が公表された。
ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン、原典:Flickr
抗体については、感染による抗体を持っていなかった人を対象に、血液を採取しスパイクタンパク質抗体価を測定した。
3回目にファイザー製を接種した人が396人、モデルナ製が233人。
3回目接種前の平均抗体価は、ファイザー製のグループが1ミリリットル当たり374ユニット(U)、モデルナ製のグループが約444Uで大きな差はなかった。
接種1カ月後には、ファイザー製は約2万U(約54倍)、モデルナ製は約3万U(約68倍)だった。モデルナ製グループの方が上昇率が高かった。
副反応については、接種後1週間までの日誌が回収できた人を対象に分析。
ファイザー製が2626人、モデルナ製が437人。
38度以上の発熱があった人は、ファイザー製が約21%、モデルナ製が約49%。
全身のけん怠感は、ファイザー製が約69%、モデルナ製が約78%。
頭痛は、ファイザー製が約55%、モデルナ製が約70%。
いずれの副反応も接種翌日がピークで、2~3日後にはほぼおさまった。
なお、3回ともファイザーを打った人のなかから、心臓の筋肉に炎症が起きる「心筋炎」が疑われるケースが2例報告された。2例とも重篤な症状ではなかったという。
情報元:厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)
ファイザー製の新型コロナワクチンの有効成分量が30マイクログラムであるのに対し、モデルナ製は100マイクログラム。
このため、3回目の接種ではモデルナ製は半分の量(50マイクログラム)に設定されている。
今回の結果は、交差接種(異なる種類のワクチンを接種すること)の影響なのか?
それとも、有効成分量の差によるものなのか?
筆者にはそんな疑問が残った。