ロシア財務省は17日、3月16日が支払期日となっていたドル建ての国債の利払いを「ドルで実施した」と発表した。
ロシア国債(特にドル建て)については、借りたお金の元本や利子の返済を約束した条件どおりに払えなくなる「デフォルト(債務不履行)」に陥る可能性が指摘されていた。
ロシアは先月24日、ウクライナへ侵攻した。
この制裁措置として、日米欧などにより外貨準備の半分近くが凍結させられた。更に、大手7銀行グループが国際決済網「SWIFT(スイフト)」から締め出された。
ロシアは外貨での支払い、特にドルによる支払いが出来なくなるのでは...と懸念されている。
ロシア財務省の建物
ロシア財務省によると、3月16日が支払期日となっていたドル建ての国債の利子は計1億1700万ドル(140億円弱)。
利払い分は3月14日に送金したという。
米国のマスコミ各社によると、投資家側は契約通り「ドルで利払いを受けた」という。
筆者が確認した限りでは、現時点で利払いを受けていないという報道はない。
ロシア中央銀行が公表している情報によると、昨年9月末時点で、ロシア全体の対外債務残高は4,906億ドル(約60兆円)。
4,906億ドルのうち、3,531億ドル(約42兆円)が外貨建て債務である。今後デフォルトのリスクが高いのはこの部分。
4,906億ドルのうち、ロシア政府債(国債+地方債)は671億ドル(約8兆円)で、外貨建ては約3割に当たる205億ドル(約2.4兆円)。
ロシア政府債がデフォルトになっても、金額が少ないため、世界的な金融不安を起こす可能性は低いとみられる。
米国のJPモルガンによると、直近に支払い期限を迎えるドル建てのロシア国債は、以下のとおり。
ロシア中央銀行は先月28日、通貨防衛策として、政策金利を9.5%から20%へと一気に引き上げた。
今後、更なる利上げに踏み切る可能性がある。
どちらにしろ、ロシア国民が大変な目にあうことは”ほぼ確実”である。
ロシアのウクライナ侵攻は、高い代償となるだろう。