ロシアによる侵攻が続いているウクライナのゼレンスキー大統領が23日、日本の国会で、オンライン形式の演説を行った。
ゼレンスキー氏はウクライナの惨状を訴えた。また、「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけ始めたのは、日本です」とも述べた。その上で、対露制裁の継続を求めた。
外国元首がオンライン形式で国会演説するのは、憲政史上初めて。
ゼレンスキー氏の演説は23日午後6時2分から、衆議院第一議員会館の国際会議室と多目的ホールでオンライン形式で行われた。
演説は約12分間で、在日ウクライナ大使館の職員が同時通訳を行った。
会場には岸田総理や衆参両院議長、ウクライナ駐日大使など、515人が出席した。
ゼレンスキー氏は演説の冒頭、「日本がすぐ援助の手を差し伸べてくれました」と述べ、日本に謝意を示した。
続けて、同国にある1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発に言及。ロシアが制圧したことに危機感を示した。更に、「ロシアは、この施設をも戦争の舞台にしてしまいました」とロシアを批判した。
ゼレンスキー氏によると、ロシアはウクライナに対して、既に1,000発以上のミサイルや空爆による攻撃を行ったという。数千人が殺され、うち121人は子供だった。
約900万人のウクライナ人がロシア軍から逃れ、自宅や住み慣れた土地を追われたという。(既に1,000万人超との試算もあり)
ゼレンスキー氏は「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけ始めたのは、日本です」とも述べた。その上で、対露制裁の継続を求めた。
既存の国際機関については安全保障のために機能していないとし、「新しい予防的なツールを作らなければなりません」と述べた。実現には、日本のリーダーシップが必要とした。
また、ウクライナ復興への協力も求めた。
ゼレンスキー氏は「(日本語で)ありがとう。ウクライナに栄光あれ、日本に栄光あれ」という言葉で、演説をしめた。
情報元:衆議院インターネット審議中継
ゼレンスキー大統領の演説に、胸を打たれた人は多いと思う。
やはり、注目すべきは「既存の国際機関が安全保障のために機能していない」という部分である。
これは連合国(国連)の常任理事国5か国が核保有国であり、かつ、特権をもっていることを指しているとみられる。この5カ国の前では、小国はなき寝入りをするしかない。
差別を無くしたい、核兵器を無くしたいと本気で思っているなら...
連合国の「常任理事国」という仕組みは無くす必要がある。