トランプ米大統領とプーチン露大統領は16日(日本時間同日夜)、フィンランド・首都ヘルシンキの大統領公邸で首脳会談を行った。
両首脳は関係改善を図る方針で一致した。
両首脳は会談の冒頭で握手し、通訳だけを交えた1対1の会談の後、両政府の高官を交えての会合に臨んだ。
会談後の共同記者会見で、プーチン露大統領は、戦略核弾頭の配備上限を定めた「新戦略兵器削減条約(新START)」について、「(2021年の)期限延長を米国側に提案した」と述べた。
トランプ米大統領は「核拡散問題について協議した。米露はこの問題を終わらせたいと考えている」と語った。
また、プーチン露大統領は選挙干渉問題について、会談で話し合ったことを明らかにし、「ロシアは干渉したことはないし、米国の内政問題に介入することはない」と強調した。
これに関し、トランプ露大統領は「ロシア疑惑の捜査は米国にとって災難で、(自らの陣営とロシアの)共謀はなかった」と主張した。
一方、トランプ米大統領は、北朝鮮核問題をめぐる金正恩朝鮮労働党委員長との会談を挙げ、「ロシアも核軍縮の問題の重要性を理解している」と語った。
プーチン露大統領は、米国が対話での北朝鮮問題の解決を目指しているとして評価した。
まずは、両国の核軍縮についてだ。
米露のように何千発も保有していると、コストもかかるし、廃棄するもの大変だ。
だから、お互いに減らそうというものだ。
核兵器には通常兵器にない戦略上の特徴がある。
「非常に抑止力が高い」ということだ。
通常兵器はお互い同等の数と質がないと抑止力が働かない。
例えば、A国がミサイル100発、K国がミサイル10発では、K国はA国に対して抑止力が働かない。
しかし、核兵器は違う。
米国は数千発の核弾頭をもっている、一方、北朝鮮は十数発と言われている。
これでも抑止力が働いてしまう。
核攻撃は凄まじい破壊力があるため、どの国も受けることはできないからだ。
米露が核兵器を減らしたいのは、過剰なものを減らしたいだけだ。
国防だけ考えるなら、お互い数100発もあれば十分だろう。
核を放棄する意思は両国ともない。
2016年アメリカ合衆国大統領選挙で、共和党のトランプ候補(当時)を勝利させるため、ロシアがサイバー攻撃やSNSを使ったプロパガンダを行ったとされている。
これは決定的といえる証拠が現時点ではないので、YesともNoとも言いきれない。
そもそも、日本にとってはどうでもいい話だ。
米国は急激に力をつけてきた支那を仮想敵としている。
この点に関しては、日本と利害が一致する。
ロシアを敵視した場合、ロシアと支那が接近する可能性が高い。
ロシアを味方にする必要はないが、敵にしてはいけない。
もちろん、ロシアは信用できない国だ。
いくら経済協力しても、北方領土は返ってこないだろう。
国家間の約束も平気で破るだろう。
米国とロシアの接近に、欧州各国は否定的だ。
NATO(北大西洋条約機構)は元々、ソ連などの共産圏に対抗するために作られた軍事同盟だ。
ヨーロッパの国々との関係が多少悪化しても、気にすることはない。
地球の裏側だ。
国と国の間に友情はない。
国益追求があるだけだ。
日本外交の基本戦略は、「対支那包囲網」とすべきだ。
米国とロシアの接近は、日本の国益になるだろう。
朝日新聞も、米国とロシアの接近に関しては、お気に召さないようだ。