今日は秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)・秋季神殿祭だ。
宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)のひとつで、大祭(たいさい)である。
宮中祭祀とは、天皇が国家の繁栄と国民の安泰を目的におこなう祭祀(神霊や神霊が宿る御神体に対して行う儀礼)のことである。
宮中祭祀のなかで、天皇陛下御自らが祭典を行いになられ、御告文(おつげぶみ)と呼ばれる祝詞を奏上なされるものを「大祭」と言う。
現在の憲法下での大祭は、元始祭、先帝祭(現在は「昭和天皇祭」)、春季皇霊祭・春季神殿祭、神武天皇祭(じんむてんのうさい)、秋季皇霊祭・秋季神殿祭、神嘗祭(かんなめさい)、新嘗祭(にいなめさい)である。
秋季皇霊祭・秋季神殿祭の儀を行われておられる天皇陛下、出典:宮内庁
皇霊祭の儀・神殿祭の儀は、年に2回、春分日と秋分日に、宮中において行われる。
皇霊祭の儀は、歴代の天皇や皇族のご祖先の霊を祭る儀式である。
神殿祭の儀は、神恩(しんおん)に感謝する儀式である。
秋季皇霊祭の儀・秋季神殿祭の儀に参列する安倍総理(平成29年9月23日)、出典:首相官邸 | Facebook
現在、9月22日~23日ごろが「秋分の日」とされ、国民の祝日である。
秋分の日は、「国民の祝日に関する法律」により天文観測による秋分が起こる「秋分日」が選定される。
しかし、以前は「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」とされており、国民の祭日だった。
秋季皇霊祭は、明治11年(1878年)の「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」改正により祭日となった。
同法律は大正元年(1912年)に廃止となったが、同年に制定された「休日ニ關スル件」においても、祭日とされたため、そのまま継続された。
しかし、昭和23年(1948年)の「国民の祝日に関する法律」で秋季皇霊祭は廃止され、新たに同日が「秋分の日」として国民の祝日となった。
秋季皇霊祭は「国民の祭日」であり、国民の祝日ではなかった。現在、国民の祭日はない。
祭日
宗教儀礼上の重要な祭祀を行う日
国による「宗教祭祀儀礼の日」
・皇室の祭典が行われる日
・神社等で定期的に行われる祭儀、お祭りなど
祝日
その国の歴史的な出来事に由来したり、功績のあった人物を称えて制定された記念日
国による「慶祝儀礼の日」
祭日・祝日が変わったのは、大東亜戦争に敗北したからである。
皇室や神道と密接な関わりがある「国民の祭日」は廃止となった。
ほぼすべての祭日・祝日が廃止されたり、日付は同じでも名前を変えられたりした。
そのためにも、多くの日本人がこの事実を知る必要がある。