安倍普三総理は14日、訪問先のシンガポールで、ロシアのプーチン大統領と会談した。
両首脳は、通訳だけを同席させた1対1の会談で、日露平和条約の締結と北方領土問題に関して、相当突っ込んだ議論を行った。
日露平和条約の締結を三年以内に行うことで合意したとみられる。ただし、条約締結まで至らない場合もあると考えられる。
安倍総理はプーチン大統領との会談後、同行した記者団に対して、「領土問題を解決して、平和条約を締結する。この戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという、その強い意思を大統領と完全に共有いたしました」と述べた。
更に、「1956年共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことで、プーチン大統領と合意いたしました」とも述べた。
会談後、記者団の質問に答える安倍総理、出典:首相官邸ホームページ
日本が大東亜戦争を戦った国で、平和条約を結んでいないのはロシアだけである。ロシアはソ連の後継国である、条約も引き継いでいる。
外国では、日本とロシアが今だに戦争中と思っている人も多い。
安倍総理の任期は、平成33年(2021年)9月までである。
日露平和条約は、この時までに署名・発効されるものと思われる。
ただ、現時点では確定事項とまでは言えない。両首脳は同意しても、どちらかの国の国内事情などにより、締結できない事態も十分に考えられる。
両首脳は、来年6月に大阪で開かれるG20(20か国・地域首脳会談)での大筋合意を目指しているものと思われる。
A.歯舞群島(歯舞諸島)、B.色丹島、C.国後島、D.択捉島
1.色丹村、2.泊村、3.留夜別村、4.留別村、5.紗那村、6.蘂取村
出典:Wikipedia
日露平和条約に関する交渉は、昭和31年(1956年)に署名・発行した「日ソ共同宣言」を基礎に行われる。
最大の問題は北方領土である。
日ソ共同宣言には、「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する」とだけある。
日露平和条約が締結されれば、歯舞群島(はぼまいぐんとう)と色丹島(しこたんとう)は日本に返ってくる。
国後島(くなしりとう)と択捉島(えとろふとう)に関しては、どうなるかわからない。
日本とソ連(ロシア)は過去、何度か平和条約の締結を模索してきた。しかし、その度に米国の「横やり」が直接的・間接的に入ってきた。
現在のトランプ米大統領は、ロシアに理解のある人物である。
今なら米国からの条約締結を阻止しようとする圧力は弱い。
日本人限定の調査です。
— 素人が新聞記事書いてみた (@np_ama) November 16, 2018
現在、日本とロシアは、形式的には戦争中です。
「日露平和条約」を締結して、戦争を完全に終わらせるべきだと思いますか?
ただし、北方領土の一括返還はありません。
すぐに日本に返ってくるのは、歯舞群島と色丹島です。
国後島と択捉島は、継続交渉になります。
ロシアは信用できない国だが、日露平和条約は締結すべきだと思う。(できないかもしれないが)
日本がロシアとの関係を悪化させた場合、ロシアは支那と接近する可能性が高い。
それだけは避けたいところだ。
日本には、支那とロシアの両方を同時に相手にできるほどの力はない。
また、日露平和条約の締結により、米国の影響力も多少は低下する。
北方領土に関しては、 納得いかない人も多いだろう。
しかし、このまま一括返還を叫んでいても、何も動きはしない。
今は我慢しておき、ロシアの国力が落ちたら、軍事力で奪還するなり、買い取るなりすればいい。