素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

【皇紀】2678年12月18日

今日は、日本が連合国に加盟した日だ。

英語では「United Nations」と言う。「United」は「結合する」とか「連合する」という意味で、「Nations」は「国(複数)」という意味である。直訳は「連合国」である。

連合国を、なぜか日本では「国際連合」と呼んでいる。

 

連合国(一般的に「国連」と呼ばれている組織)の前身は、第二次世界大戦で日本やドイツなどの枢軸国と戦った「連合国」である。

第二次世界大戦中の連合国」も、英語では「United Nations」と言う。英語では両者は同じ単語である。

 

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(左から)ウィンストン・チャーチルフランクリン・ルーズベルトヨシフ・スターリンヤルタ会談にて、出典:Wikipedia

 

現在の連合国(一般的に「国連」と呼ばれている組織)の設立は、第二次世界大戦戦勝国、特に米国・英国・ソ連により進められた。

昭和16年(1941年)8月、カナダ東海岸プリンス・オブ・ウェールズの艦上で、米国のルーズベルト大統領と英国のチャーチル首相が会談し、大西洋憲章を提唱した。ここに、第二次世界大戦後の世界に国際平和機構を創設するとの構想が、抽象的ではあるが示されていた。

昭和18年(1943年)3月、米国による草案がほぼ完成する。「Draft Constitution of International Organization」である。

同年10月、モスクワで開かれた米国・英国・ソ連による外相会議で「一般的安全保障に関する4か国宣言」が出され、ほぼ米国案に沿った国際機構の創設が、「第二次世界大戦中の連合国」の構想として公式に示されることになる。なお、4か国とは、米・英・ソに中華民国を加えたものである。

昭和19年(1944年)8月〜10月、ワシントンD.C.ダンバートンオークス・ガーデンにおいて、米国・英国・ソ連中華民国の代表が会議を開き、連合国憲章の原案を作成する。ダンバートンオークス会議である。ここで、全加盟国を含む「総会」と、大国中心に構成される「安全保障理事会」の二つを主体とする普遍的国際機構を作ることが合意される。

その後、米英とソ連が主導権争いをし、少しモメる。

昭和20年(1945年)2月、ヤルタ会談が行われ、「5大国一致の原則」が合意される。

5大国一致の原則とは、安全保障理事会での決議には、5常任理事国全部の賛成が必要であるという原則である。5常任理事国とは、 米国・英国・ソ連中華民国・フランスである。英国の希望により、フランスが常任理事国に追加された。

昭和20年(1945年)6月26日、米国のサンフランシスコで会議が行われ、50か国が連合国憲章に署名する。ポーランドは会議に代表を送っていなかったが、その後憲章に署名する。この51か国が原加盟国となる。

昭和20年(1945年)10月24日、連合国は正式に発足する。

 

その後、次々と加盟国が増えていく。

昭和46年(1971年)10月25日、アルバニア決議」により、常任理事国中華民国(台湾)から中華人民共和国へと変わってしまう。中華民国常任理事国の権利を剥奪され、連合国からの追放されてしまう。

平成23年(2011年)、南スーダンが連合国に加盟し、加盟国数は現在と同じ193か国となる。

 

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ニューヨークにある連合国本部、出典:Wikipedia

 

昭和27年(1952年)、サンフランシスコ講和条約が発効され、日本の主権が回復した。日本はすぐに連合国(一般的に「国連」と呼ばれている組織)に加盟申請をした。しかし、ソ連など社会主義諸国の反対によってなかなか実現しなかった。

昭和31年(1956年)10月、日ソ共同宣言により、ソ連との国交が回復する。これによりソ連が態度を軟化させる。

昭和31年(1956年)12月18日、日本は80番目の連合国加盟国となる。

 

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連合国旗、出典:Wikipedia

 

日本人の連合国(一般的に「国連」と呼ばれている組織)への評価は2分される。

素晴らしい組織だという意見と、戦勝国クラブだ脱退しろという意見だ。

自虐史観の強い人は前者が多く、正統史観が強い人は後者が多い傾向がある。

 

参考にされては困るが個人的な意見を言わせてもらうと、どちらも正しく、どちらも間違っていると言える。

 

連合国は、世界中の国が参加した国際会議の場である。脱退するということは、話し合いの場にすら参加できなくなる。国際会議に参加できないということは、外交的影響力の激減を意味する。

経済に関しても、連合国は不可欠な存在だ。貿易や金融などの世界経済に参入しづらくなり、経済的にもマイナスがある。

連合国を設立した最大の目的は集団安全保障だ。集団安全保障とは、敵も味方も無関係に参加し定められたルールに違反した場合、敵も味方も無関係に集団でタコ殴りにする。それを恐れて秩序が維持されるという考えである。

 

連合国には敵国条項がある。

敵国条項とは、「第二次世界大戦中の連合国」の敵であった枢軸国(日本、ドイツ、ルーマニアブルガリアハンガリーフィンランド)に対して、加盟国は決議がなくても行動できるというものである。連合国憲章第53条と第107条にあたる。

平成7年(1995年)、総会で敵国条項を削除することはすでに採決されている。しかし、加盟国全部の批准が済んでいないため、条文自体はまだ残っている。

 

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青:常任理事国、 緑:2017年の非常任理事国、出典:Wikipedia

 

連合国(一般的に「国連」と呼ばれている組織)には、安全保障理事会常任理事国に拒否権が与えられているという問題がある。

安全保障理事会とは、連合国の最も重要な機関で、その決定を強制する能力を持っていることである。5つの常任理事国 (米国、英国、ロシア、フランス、中華人民共和国)と10の非常任理事国の計15ヵ国で構成される。常任理事国には拒否権がある。常任理事国のうち1カ国でも反対すれば何も決められなくなる。

常任理事国というのは、非常に不公平な仕組みと言える。

 

極端な考えというのは破滅を招きやすい。

連合国に対しては、特にそれが当てはまるように感じる。