生理学研究所、東京大学、信州大学の共同研究グループは、ラットの体内に、マウスの
複雑な臓器である「腎臓」を、異なる生物の体内で作ったのは世界初だという。
ラット(上)とマウス(下)、出典:エキゾチックアニマル情報室
ラットとマウスは、全く別の生物である。
ラットは体長20センチほど、体重は200~700グラム、
マウスは体長7センチほど、体重は16~45グラム、
ラットは頭が良く飼育者の識別ができる。そして、オスはメスの倍ほどの体重がある。
同研究チームは、ラットを遺伝子改変し、腎臓を作れなくした受精卵を作製した。
その受精卵にマウスのES細胞(
その後、生まれてきたラットの子どもに、マウスの
ただし、その腎臓を調べたところ、血管などにはラットの細胞も混じっていた。
ES細胞は理論上、すべての細胞に分化することが可能な万能細胞である。
臓器の空白を補完しようと、腎臓の細胞に分化したとみられる。
同研究チームはすでに、ラットの体内でマウスの
今後は、マウスだけの細胞から成る腎臓作製方法の確立をめざす。
そして、将来的にはブタなど体内で、ヒトの
腎臓移植は、腎不全患者に対する有効な治療法である。
・・・が、慢性的なドナー不足のため、希望者のたった1〜2%しか移植を受けることができないのが現状だ。
次世代のためにも、このような研究は完成させたいものである。