経済産業省・資源エネルギー庁は12日、「平成29年度(2017年度)エネルギー需給実績(確報)」を公表し、データを同庁のホームページ上に公開した。
情報元:集計結果又は推計結果|総合エネルギー統計|資源エネルギー庁
エネルギー需給実績とは、資源エネルギー庁が各種エネルギー関係実績を元に、国内での「最終エネルギー消費」「一次エネルギー国内供給」などのデータをまとめたものである。基本的に年に1回公表されている。
表示単位は計量法に基づき、「J(ジュール)」によって表示されている。
例:カロリー換算 1 kcal = 4.186 kJ
:原油 1 リットル = 9,250 kcal = 38.7 MJ
最終エネルギー消費(部門別、エネルギー源別)、原典:平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)
最終エネルギー消費とは、発電所等のエネルギー転換部門で作り出されたエネルギーを除いた、工場や家庭、運搬などで実際に消費されたエネルギーのことである。
平成29年度(2017年度)の最終エネルギー消費は、前年度比0.9%増の1万3453PJ。東日本大震災以降初の増加となった。部門別では、厳冬の影響により家庭が4.2%増となった。
エネルギー源別では、約5割を占める石油は、電力・都市ガスへ転換しているため近年減少傾向にある。しかし、平成29年度(2017年度)は暖房用途や石油化学原料用が増え、前年度比0.2%増の6457PJとなり、7年ぶりに増加した。
最終エネルギー消費に占める電力の割合(電化率)は、産業構造の変化やOA・IT 化により、平成2年度(1990年度)の20.3%から、 平成29年度(2017年度)には 25.8%まで上昇した。今後、電力の重要性は更に高まっていくものとみられる。
電力構成、原典:平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)
平成29年度(2017年度)の発電電力量は、前年度比 0.7%増の1兆602億 kWh だった。
電源構成別では多い順に、天然ガス39.5%、石炭32.7%、石油等8.7%、水力7.9%、太陽光5.2%。現在、日本では石油と天然ガスによる発電が大半を占める。コンバインドサイクル発電の普及と調達コストが大きな原因である。
一次エネルギー国内供給(エネルギー別)、原典:平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)
一次エネルギー国内供給とは、発電所等のエネルギー転換部門を含めた国内全体のエネルギー需要を表すものである。「エネルギー依存度」とも言う。
平成29年度(2017年度)の一次エネルギー国内供給量は、前年度比1.2%増の2万95PJ (原油換算 519百万 kL)。4年ぶりに増加に転じた。
エネルギー別では多い順に、石油39.0%、石炭25.1%、天然ガス・都市ガス23.4%、再生可能エネルギー(水力を除く)4.7%だった。
石油依存度と化石エネルギー依存度、原典:平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)
平成29年度(2017年度)、我が国の石油依存度は39.0%、化石エネルギー依存度は87.4%である。日本は化石エネルギーのほぼ全てを海外からの輸入に頼っている。
日本が米国と戦争をした最大の理由は、石油を輸入できなくなったからである。
安全保障を考えた場合、エネルギーはできるだけ国内生産すべきである。そして、それは非常に難しい。