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群馬大学、寄生虫が体重増加を抑制する仕組みを世界で初めて証明

群馬大学大学院医学系研究科の下川周子しもかわ ちかこ助教らの研究グループは、寄生虫が体重増加を抑制する仕組みを、世界で初めて科学的に証明したと発表した。

 

寄生虫を腸内で飼うことにより痩せた、という話は昔からあった。

20世紀最高のソプラノ歌手と言われるマリア・カラスは、腹にサナダムシを飼うことにより、106キロあった体重を1年で55キロまで減らしたという噂もある。

しかし、寄生虫ダイエットにより痩せるという、科学的な根拠は今までなかった。

 

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寄生虫を感染させたマウスと感染させなかったマウスの体重の変化、原典:群馬大学

 

同研究グループは、まずマウスに高脂肪食を28日間与え太らせた。

その後も高脂肪食は与え続けたまま、マウスを寄生虫を感染させると、体重の増加を抑えられたという。一方、寄生虫を感染させなかったマウスは、体重が増加し続けた。

寄生虫の感染から28日後、両者の体重差は2割ほどとなった。

 

体重増加を抑えられるには、カロリー摂取量を減らすか、エネルギー代謝を高める必要がある。

寄生虫を感染させたマウスの食餌量は、寄生虫を感染させなかった通常のマウスと比べ、差は認められなかった。つまり、エネルギー代謝が高まり、痩せやすい体になったということである。

 

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作成:素人が新聞記事書いてみた

 

寄生虫に感染したマウスの血中のノルエピネフリンの濃度を調べたところ、感染していないマウスと比べて、かなり高濃度のノルエピネフリンが検出された。

ノルエピネフリン神経伝達物質である。心拍数を直接増加させるように交感神経系を動かし、脂肪は燃えやすくなり、エネルギー代謝は高まる。筋肉の素早さも増加する。

 

研究グループは腸内細菌に着目。

寄生虫に感染したマウスでは、バシラス属やエシェリキア属という腸内細菌が増加していることを突き止めた。特にバシラス属は、寄生虫に感染していないマウスの数倍にまで増えていた。

 

なお、寄生虫を感染させたマウスは、常に健康な状態だった。

 

情報元:Suppression of obesity by an intestinal helminth through interactions with intestinal microbiota | Infection wo Immunity

 

この研究を更に進め、寄生虫が分泌する「どの物質により痩せやすくなるのか」を突き止めることができれば、ヒトの減量に応用できる可能性が高い。

ダイエットは楽して確実に、そして安全にできた方がいい。