素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

ファーウェイ、英アームと取引停止=スマホ開発困難に

中華人民共和国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)に”黄色信号”がともった。

BBCは22日、「英国の半導体設計大手アーム・ホールディングスが、ファーウェイとの取引停止を社員に通知した」と内部文書を引用し報道した。アームは同日、「米政府の全ての規制に従う」という声明を出した。

業界関係者には、さぞや大きな衝撃が走ったことだろう。 

 

米商務省は今月15日、米企業がファーウェイ及び関連企業70社と取引することを原則禁止した。外国企業でも、米国由来の部品やソフトウェアが市場価格で25%を超えれば規制対象となる。

アームは、米国のテキサス州オースティンやカリフォルニア州サンノゼに設計開発拠点を設けている。

 

アーム・ホールディングスとは、英国・ケンブリッジに本社がある持株会社である。子会社を通じて半導体設計事業などを行っている。ソフトバンクグループ傘下である。

アームは半導体の心臓部であるCUP(中央演算処理装置)の設計に特化している。スマホに関しては約9割のシェアを誇っている。

ファーウェイ製品に使用されているCPU「kirin」も、アームからの技術提供を受けている。

 

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ファーウェイ製品のCUP「Kirin」、出典:Android Result

 

ファーウェイは今後、新たなスマホを開発することが困難になりそうだ。

問題はOS(基幹ソフト)と半導体である。

 

ファーウェイのスマホのOSは、米企業「グーグル」が開発した「アンドロイド」である。

グーグルは現在、輸出規制を90日間猶予する一時的な認可証を米商務省から取得している。しかし、この期限が過ぎた後には、どうなるか未定である。

グーグルが提供するサービス(Gメールやgoogleマップなど)が使用できなくなったり、アップデートができなくなったりする可能性は十分にある。

 

ファーウェイはこの事態を予想していたのか、独自OSを開発中である。早ければ今年中にも、独自OSを導入した新機種が発売される。

そもそも、中華人民共和国内でグーグルのサービスは使えない。特定の国に限定して使用するなら、独自OSでもいい。

しかし、今回のアームとの取引停止により、雲行きが変わってきた。

 

現在、世界で使用されているスマホのCPUの約9割は、アームが設計をしている。

アップルのiPhoneに搭載されている「A」シリーズも、米クアルコムの「スナップドラゴン」も。有名企業のスマホのCPUはすべてと言っていいほど、アームが設計をしている。

ファーウェイに使用されているCPU「kirin」も同様である。生産は台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が行っている。

TSMCとは、半導体受注生産の世界最王手である。米国の制裁には加わらず、ファーウェイに協力することを表明している。

 

ファーウェイは現製品のライセンスは押さえているとみられるため、すぐに生産停止に追い込まれる事態はないだろう。

しかし、アームの技術提供が受けられない状態が続くと、スマホなどの開発に大きな支障がでてくる。

 

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ファーウェイのスマホHUAWEI P10」、出典:Wikipedia

 

このニュースの重要ポイントは、アームが独自の決断で行動したのか、それとも、米国から直接的に取引停止を勧告されたのかである。

もし後者なら、ファーウェイとの取引を停止する企業が更に増えることになる。

 

企業経営者は危険な橋を渡ってはいけない。