政府は5日、第28回未来投資会議(議長・安倍総理)を開き、令和元年の「成長戦略実行計画案」を公表した。
未来投資会議とは、 成長戦略と構造改革の加速化を図ることを目的とした会議である。将来、経済成長が期待される分野への投資を、官民が連携して進める。
内閣総理大臣を議長とし、関係する国務大臣や有識者が参加する。平成28年(2016年)9月に設置された。
令和元年「成長戦略実行計画案」骨子
先端技術の活用
・デジタル市場のルール整備
・脱炭素社会の実現全世代型社会保障
・70歳までの就業機会確保
・中途採用・経験者採用の促進
・予防医療充実地方対策
・地域インフラ維持
・地域銀行やバスの統合情報元:首相官邸
地域銀行の「貸出利鞘」と「営業経費と貸出残高」のデータ、原典:首相官邸
同計画案には、経営が厳しい地域銀行(地方銀行、第二地方銀行、埼玉りそな銀行)を10年間で集中的に再編を促す方針が盛り込まれた。
政府は令和2年(2020年)の通常国会に、特例法を提出する。以降、地域銀行の統合が加速され、銀行数は大幅に減少する。
地域銀行の貸出利鞘(りざや)は、平成19年(2007年)以降、悪化の一途である(上の図55参照)。
貸出利鞘とは、借りたお金の金利よりも高い金利で貸し出した場合、得ることのできる利益のことをいう。銀行収益に直結する。
また、銀行はシステム費用等の多額の固定費が発生するため、規模の経済性(スケールメリット)が働きやすい。貸出残高(貸出の規模)が2倍になっても、システム費用が2倍かかる訳ではない(上の図56参照)。
このため、経営統合による経費削減余地が大きい。
現在、地方銀行や信用金庫、信用組合などの地域金融機関は供給過多の状態である。
平成31年3月期決算では、約7割の上場地方銀行が減益若しくは最終赤字となった。
日本銀行が今年4月に発表した「金融システムレポート」では、令和10年(2028年)度には地方銀行の約6割が純損益で赤字に転落する、との予想がされている。
情報元:金融システムレポート(2019年4月号) : 日本銀行 Bank of Japan
経済におけるグローバル化は今後更に進む。これは世界的な流れで止めることはできない。
外国の銀行や投資家による日本侵...もとい、日本進出や株式取得は今後増えるだろう。
日本の銀行は強くなる必要がある。