日本政府(経済産業省)は韓国向け輸出管理の運用を見直した。要点は2点。
まず、令和元年7月4日から、「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3品目を包括輸出許可制度の対象から外し、個別に輸出審査を行うこととした。
今まではすぐに輸出できていたのもが、90日程度の審査期間が必要となる。審査により輸出できない場合もあり得る。
更に、8月中をメドに、韓国を貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」から除外する。
ホワイト国とは、武器管理を徹底していると日本政府が認定した国である。日本から輸出した物が、第三国に渡ったりして、武器・兵器の製造に使われていないか、十分なチェックをしている国が認定される。
韓国国旗、出席:Wikimedia
対韓輸出の「優遇撤廃」は安全保障上の措置である。
マスコミが報道している「輸出規制」や「経済制裁」は、正しい表現ではない。
韓国は2015年~19年3月の間に、156件の密輸出をしている。輸出先には「テロ支援国家」のイランとシリアも含まれている。北朝鮮は含まれていない。この情報は韓国政府が公表したものだが、信ぴょう性に欠けるという指摘も多い。
韓国の密輸出は、現在の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任する少し前から急増し、問題となっていた。
経済産業省は韓国を「ホワイト国」から除外する方案に対し、ホームページ上でパブリックコメントを実施している。調査期間は7月1~24日。
7月9日のテレビ東京の報道によると、最初の第1週目に寄せられた6300件の意見のうち「賛成が98%以上」となる6200件ほどだった。反対は60件ほど。
これが普通の感覚だ。
しかし、対韓輸出の「優遇撤廃」に反対している人たちもいる。
政党では立憲民主党、日本共産党、社民党が反対している。対韓輸出の「優遇撤廃」が発表された直後の党首討論では、以下のように述べている。
立民・枝野代表「理由がよく分からない」
共産党・志位委員長「政治的な紛争の解決に貿易の問題を使うことは禁じ手だ」
社民党・吉川幹事長「何を理由に強化したか不明」
新聞は反対しているところが多い。全国紙では、日経新聞、毎日新聞、朝日新聞が反対している。朝日新聞が1番強く反対している。
彼らに共通しているのは、安全保障の意識が全くないことだ。
・[社説]元徴用工巡る対抗措置の応酬を自制せよ (写真=共同) :日本経済新聞
・社説:韓国への輸出規制 通商国家の利益を損ねる - 毎日新聞
・(社説)対韓輸出規制 「報復」を即時撤回せよ:朝日新聞デジタル
テレビ局に関しては、番組により見解が異なっているので一概に判断できない。
経済界からは強い反対意見はでていない。
「韓国海軍レーダー照射事件」の現場にいた北朝鮮籍漁船と韓国警備救難艦、 原典:YouTube
北朝鮮も対韓輸出の「優遇撤廃」を批判している。
同国の国営である平壌放送は8日までに、安倍晋三政権を批判する論評を伝えた。
情報元:北が韓国の旧保守政権にも矛先 日本の輸出規制強化で(産経新聞) - Yahoo!ニュース
この報道を聞いた時、筆者はすぐに「韓国海軍レーダー照射事件」が思い浮かんだ。
韓国海軍レーダー照射事件とは、平成30年12月20日、日本の能登半島沖で、韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン」が、海上自衛隊の哨戒機「P-1」に、火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)を照射した事件である。
火器管制レーダーの照射は、国際法上、武器使用に準ずる行為とされている。
現場には北朝鮮の漁船がいて、そのそばには韓国海軍の駆逐艦 「クァンゲト・デワン」と海洋警察庁の警備救難艦 「サンボンギョ 5001」がいた。
韓国は北朝鮮には密輸出をしていないと言っている。
筆者の考え過ぎだろうか?