米国は、日本などと共にバブ・エル・マンデブ海峡周辺(主に東側のアデン湾)で行っている海上警備行動について、ホルムズ海峡周辺でも行うことを計画している。
米国がホルムズ海峡周辺のおける海上警備行動で、各国に求めていることは2つ。①米艦船の周辺海域の警備、②自国の船舶の護衛。①は行わなくてもいい。
ポンペオ米国務長官は今月25日、日本・英国・フランス・ドイツ・ノルウェー・韓国・オーストラリアに参加を求めた。
ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡、日本のシーレーン、作成:素人が新聞記事書いてみた
ホルムズ海峡とは、ペルシア湾とオマーン湾の間にある海峡である。北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれている。海峡の幅は狭い所で30キロ超。
この狭い海域を世界で使用されている原油の約3割が通っている。
日本に来る石油の約64%がこの海峡を通過している。日本にとって重要なシーレーンの一部である。
バブ・エル・マンデブ海峡とは、アラビア半島南西部のイエメンと東アフリカのエリトリア、ジブチ国境付近の海峡である。海峡の幅は狭い所で30キロ程。
この海域もホルムズ海峡ほどではないが、石油の重要な輸送ルートとなっている。
バブ・エル・マンデブ海峡の周辺(主に東側のアデン湾)では、ソマリアの漁師などによる海賊行為が横行している。
このため、「第151合同任務部隊」という多国籍の艦隊が数年前から海上警備行動を行っている。参加国は米国のほか、カナダ、デンマーク、フランス、オランダ、パキスタン、オーストラリア、英国、日本などである。
米国はこれを、ホルムズ海峡周辺にも拡大しようとしている。
日本のマスコミは正しい報道をしていない気がする。
「有志連合」という言葉だけが一人歩きしている。米国からの「踏み絵」だとか、戦争に巻き込まれるとか、全く事実と違う報道もされている。
この件に関しては、元海上自衛隊・海将の伊藤俊幸氏が最も正しい情報を発信している。
筆者は、「ホルムズ海峡での有志連合」に日本も参加すべきだと思う。
自国の船の安全は、自国で守るべきだ。
イランとの関係を重視するなら、日本の船舶の護衛のみ行い、米艦船の警備はやらなければいい。
ただ、国民の多くが反対するなら、参加しないという選択肢もある。これにより、米国との関係が変わることはない。