香港で8月30日、平成26年に起きた香港民主化運動、通称「雨傘運動」の学生リーダーたった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(22)と周庭(アグネス・チョウ)氏(22)が逮捕された。
両氏の容疑は、警察当局の許可を得ていない集会へ参加した事などである。
同日夕方に保釈されたが、自由の身になったという訳ではない。夜の11時から朝7時までの外出禁止や特定の場所へ行ってはいけない等の制約がある。
裁判は11月8日から始まる。
今回の逮捕は法律にそったものではあるのだが、政治的な側面が強い。このため、禁固刑5年になるのではという憶測もでている。
黄之鋒氏(右)と周庭氏(左)、原典:YouTube
両氏だけではない。一連の香港デモに関連して、3名の立法会議員(日本の国会議員にあたる)、そして1000名近い香港市民が逮捕されている。
香港政府は現在、市民のデモを厳しく規制している。
それだけならまだいい。
香港警察はデモ参加者や協力者に対して、人権弾圧を行っている。とにかく、実際の映像をみてほしい。
A peaceful protestor without any mask and helmet was arrested by Riot Police. Riot police pulled him on ground and used baton brutality beat him. pic.twitter.com/Q4NvflNxMd
— Joshua Wong 黃之鋒 (@joshuawongcf) August 25, 2019
昨日、香港の太古駅で、警察が至近距離で市民に向けて銃で胡椒弾を撃ちました。さらに警棒でデモ隊を殴ったり、エスカレーター上で押し倒したりしました。#香港 #香港デモ pic.twitter.com/ygRvomUBvZ
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) August 12, 2019
香港で起きているデモのキッカケとなったのは、「逃亡犯条例」の改正である。容疑者の身柄を支那本土へ引き渡すことを可能とするものである。
この法律が施行されると、香港は支那本土と同様、支那共産党を非難することができなくなる。共産党に都合の悪い人間は排除することが可能となるのだ。ウイグルやチベットなどの現状を見れば、どうなるか想像するのは容易だ。
現在、香港政府トップの行政長官には共産党が認める人間しかなれなくなってしまった。立法会議員の多くも共産党よりの議員が大半である。
香港の民主主義は危機的状況にある。
8月11日のデモの際、ある若い女性が警察のビーンバッグ弾に撃たれ、眼球が破裂しました。失明してしまった可能性が高いです。この女性のゴーグルにはビーンバッグ弾が突き刺さっており、動かぬ証拠があります。
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) August 16, 2019
しかし、未だに香港の警察は責任を認めず、謝罪していません。 pic.twitter.com/vbSjFiiGq4
昨日、香港の元朗で、白シャツを着た反社会的勢力の一団が、ショッピングモールや地下鉄の駅、そして車内でまで無差別に市民を襲いました。しかし香港警察は彼らを放置し、身元や持ち物を調べることも、阻止することも逮捕することもしませんでした。
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) July 22, 2019
↓ pic.twitter.com/WLjbqtfFc9
香港の警察の暴行。(2019.7.13その2)
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) July 18, 2019
Source: https://t.co/NjZawAeMj1 pic.twitter.com/fsXrxpdm5r
日本には「人権派」と言われる人達がいる。
彼らの多くは、今回の香港政府の人権弾圧に対して声をあげていない。支那共産党が現在も行っている、ウイグルやチベットなどでの人権弾圧にも同様である。
昨年4月20日、財務省の福田淳一事務次官がセクハラ発言をしたとして、立憲民主党や共産党などの野党議員は、国会内で「#Me Too」と書かれた赤い紙を掲げ、抗議の意思を示した。
今回の香港デモでは、一般人女性が香港警察に右目を打たれ、失明することになりそうな暴行事件も発生している。
8月23日には、韓国・ソウルで、日本人女性が韓国人男性から暴行を受けた事件も発生している。
「#Me Too」運動をやっていた女性国会議員たちは、なぜ声をあげないのだ?
日本の「人権派」と言われる人たちの多くはダブルスタンダードだ。
自分たちが味方する人間に不都合な事に対しては大騒ぎするが、関係ない人達の人権は無視である。
本物の人権派なら、香港市民の人権を守るため、今こそ声をあげる時だ。