素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

改憲に中選挙区制と比例代表制は不利、小選挙区制は有利

先日、自民党の支持者による憲法改正の集会に参加したときの話である。ちなみに、筆者は自民党を支持している訳ではない。

彼らは以下のような勇ましい言葉を発し、改憲を訴えていた。

 

・占領期に作った憲法など憲法ではない!

戦勝国に押し付けられた憲法をいつまで大事にしている!奴隷か!

憲法9条は日本人に「殴られても殴りかえすな」と言っているのと同じだ!

 

集会も終わり、帰ろうとした時のことである。

選挙制度について、何人かが雑談していた。盗み聞きをするつもりはなかったのだが、以下のような言葉が聞こえてきた。

「選挙の区割りは昔の中選挙区制の方がいいよな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、自分の耳を疑ってしまった。

中選挙区制とは、一つの選挙区から複数人を選出する選挙制度である。衆議院選挙においては平成6年(1994年)まで用いられていた。参議院選挙では現在も一部の選挙区で用いられている。

そして、改憲には不向きな選挙制度である。

 

筆者はその人たちと知り合いではなかったが、思い切って話しかけてみた。

理由を聞くと、あるネットの保守チャンネルでそう主張していたから、中選挙区制の方が良いと信じるようになったという。実は、改憲を強く希望している人でも、中選挙区制が良いという考えの人は多い。

この時、ちょっとした人だかり?ができたので、集まってきた人たちにも質問してみた。12人中、6人は中選挙区制に戻すべきだとの意見。2人は戻すべきではない、残り4人はわからないだった。

 

 

 

筆者の Twitter のフォロワーは大半が改憲派である。

しかし、「中選挙区制を復活すべきだ」という意見の方が約半数もいる。

 

憲法改正の発議(改憲国民投票)をするためには、衆参両院でそれそれ2/3以上の議員が改憲案に賛成する必要がある。現在の政治状況を考えれば、自民党議席を増やすしかない。

中選挙区制度の場合、2人区では改憲派が2議席を得る必要がある。3人区では2人、4人区では3人が目標といえる。平均されるので、いくつかの選挙区はこれを下回ってもいいが。

これは非常に厳しい。参議院議員選挙をみればわかる。

 

参議院議員の任期は6年であり、3年ごとに半数を改選する。参議院議員選挙は選挙区と比例代表に分かれている。

有権者は選挙区と比例代表の投票をする。選挙区では立候補者1名を自書して投票する。比例代表では政党名か立候補者1名の氏名を自書して投票する。

選挙区には1人しか当選しない小選挙区と、複数人(現在は2~6人)が当選する中選挙区がある。比例代表は、各政党が獲得した投票数に比例して議席を配分する。

参議院議員選挙小選挙区制と中選挙区制、そして比例代表制(事実上の大選挙区制)が混合された選挙である。

 

直近、令和元年7月21日に日本で行われた「第25回参議院議員通常選挙」は、改選数124。内訳は選挙区制74(小選挙区32、中選挙区42)、比例代表制 50だった。

自民党の獲得議席数は57。小選挙区中選挙区比例代表の獲得議席数とその獲得率は以下のとおり。

小選挙区22/32(68%

中選挙区16/42(38%

比例代表19/50(38%

 

改憲のためには、中選挙区制比例代表制は邪魔な仕組みなのだ。

マスコミがこの事実をほとんど報道しないため、改憲派でも知らない人が多いのが現状である。