大嘗祭(だいじょうさい)の中心的儀式「大嘗宮の儀(だいじょうきゅうのぎ)」が、令和元年11月14日夕から翌15日未明にかけ、皇居・東御苑に設営された「大嘗宮」で行われる。
第125代天皇明仁陛下(現在は上皇陛下)の大嘗祭、出典:外務省
新穀を神々に供えて自身もそれを食する。そして、国家・国民のために、その安寧と五穀豊穣を、皇祖・天照大神(あまてらすおおかみ)及び天神地祇(てんしんちぎ)に感謝し、祈念する。
儀式の様子は公開されないため、明らかにされていない部分もある。
新嘗祭は毎年11月23日に行われるが、大嘗祭が行われる年には斎行されない。大嘗祭は、最初の新嘗祭という認識でいいだろう。
大嘗祭が初めて行われたのは、7世紀後半の天武天皇の時である。その後、応仁の乱や皇室の困窮などにより221年間中断したが、江戸時代に復活した。
大嘗祭は最も重要な宮中祭祀(宮中で天皇が行われる祭祀)である。
大嘗祭の中心的儀式「大嘗宮の儀(だいじょうきゅう)」は、「悠紀殿供饌の儀(ゆきでんきょうせんのぎ)」と「主基殿供饌の儀(すきでんきょうせんのぎ)」から成る。
「悠紀殿供饌の儀」は14日午後6時半から、大嘗宮の「悠紀殿」で行われる。
侍従が三種の神器のうち剣と璽(勾玉)を悠紀殿内の台の上に置いた後、天皇陛下が殿内に入られる。陛下は新米や粟、酒などを供え、御告文(ごこうもん)を読んだ後、自らも新穀と神酒を召し上がる。
終わるのは午後9時過ぎの見通し。
「主基殿供饌の儀」は翌15日午前0時半から、同じく大嘗宮の「主基殿」で行われる。
「悠紀殿供饌の儀」と全く同じ祭礼が繰り返される。
終わるのは午前3時過ぎの見通し。
陛下はその晩は内裏に戻らず、大極殿で翌朝まで待機になられる。
両儀式には皇族方がご参列なされる。
安倍総理や国会議員、都道府県知事など約700人が招待されている。
大嘗祭には1,350年ほどの歴史がある。中断されいた期間を抜かしても1,100年以上である。
この祭祀で歴代の天皇は、国家・国民のために、その安寧と五穀豊穣を祈ってきた。
今日、今上陛下は一世に一度の儀式にお臨みになられる。
そして、あなたの幸せを祈って下される。