素人が新聞記事書いてみた

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サウジアラムコ上場、時価総額200兆円超、世界最大企業に

サウジアラビア王国の国営石油会社サウジアラムコは11日、国内の証券取引所に株式を新規上場した。

初値(上場直後についた株価)の時価総額は約1兆8770億ドル(約204兆円)となり、世界最大の上場企業となった。

今まで世界一だった米アップルの時価総額は約1兆2000億ドル。トヨタ自動車は約25兆円。

 

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サウジアラムコ本社(サウジアラビア・ダーラン)、出典:Wikipedia

 

サウジアラムコは、原油生産量、保有原油埋蔵量ともに世界一の石油会社である。

1日の原油生産量は1000万バレル前後で、世界の原油供給量の10%前後を生産している。

平成30(2018)年期は、売上高3559憶ドル(約38兆6000億円)、純利益1111憶ドル(約12兆円)。従業員数は約5万5000人。

同社株式は、サウジアラビア王国政府が100%保有していた。今回、国内のタダウル証券取引所に新規株式公開(IPO)し、全株式の1・5%を売り出した。

情報元:Enabling opportunity - Saudi Aramco

 

初値は35・2リヤルだった。これは売り出し価格の32リヤルを10%上回り、値幅制限の上限いっぱいの価格。また、売り出した株式の事前予約には、国内投資家を中心に募集枠の5倍近い応募があった。

終値も35・2リヤル。ストップ高水準で初日の取引を終えた。

 

サウジアラビア王国政府が1日で調達した資金は、少なくとも256億ドル(約2兆7800億円)。平成26(2014)年の支那アリババ集団の250億ドルを超え、過去最高額になった。

同政府は追加の売り出し枠も用意してあり、最終的な調達額は294億ドル(約3兆2000億円)まで膨らむ可能性がある。

 

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サウジアラムコの石油タンク(サウジアラビア・アブカイク)

 

サウジアラビア王国政府は、東京やニューヨークなどの証券取引所においても、サウジアラムコの上場を目指している。

しかし、現時点ではどうなるか不透明だ。サウジアラムコには、企業統治コーポレートガバナンス)や情報開示などの問題点がある。先進国の上場企業とは様々な点が異なる。

 

サウジアラビア王国は財政収入の約8割を石油に頼っている。平成26(2014)年に原油価格が急落した際には、収入が激減し、財政赤字が膨らんだ。

同国政府は石油依存経済からの脱却を急務としている。そのためには、新規上場により得た資金で、インフラの整備や教育の強化をしたい考えだ。

 

サウジアラビア王国絶対君主制国家である。経済も国家の強い統制下に置かれている。

しかし、近年では民主主義国家、資本主義経済へと少しつづではあるが移行してきている。平成27(2015)年には世界貿易機関WTO)の正会員となった。

サウジアラムコの海外上場は、サウジアラビア王国が、いや、中東諸国がどのように変わっていくかの指針となるだろう。