英国で12日、庶民院(下院)の総選挙が行われた。定数は650。欧州連合(EU)離脱が争点となっていた。
与党・保守党は、2020年1月末をもって離脱を実行すると公約に明記。
野党・労働党は、政権交代が実現した場合は欧州連合と離脱条件を改めてまとめ、それをもとに半年以内に2回目の国民投票を実施する公約に明記。
翌13日、ジョンソン首相率いる「保守党」が過半数を獲得したことが明らかとなった。
英国は2020年1月末までにEUから離脱することが濃厚となった。
総選挙の勝利をうけ祝福を受けるジョンソン首相、原典:UK Prime Minister on Twitter
ジョンソン氏は13日、ロンドン市内で支持者らを前に勝利宣言をした。
その際、「予定どおり1月末までにEUから離脱する。言い訳はしない!」と力強く語った。
英国の議会は、貴族院(上院)と庶民院(下院)の二院制である。
貴族院は選挙がなく修身任期である。
庶民院は任期5年だが、解散の場合には期間満了前に終了する。議員は総選挙(議員を全員一度に改選する選挙)により選ばれる。庶民院(下院)の方が権限が大きい。
英国総選挙(定数650)の政党別獲得議席数、
2019年12月12日実施・保守党365(+47)
・労働党203(-59)
・SNP 48(+13)
・その他 34(- 1)
※SNPは「スコットランド国民党」の略
保守党としては、故サッチャー首相が率いた1987年の総選挙で376議席を獲得して以来の大勝となった。
保守党は総選挙前まで、庶民院(下院)において過半数を得ていなかった。今回の選挙により、政治的にはEU離脱がやりやすくなった。
英国民がEUを離脱したいと考える最大の理由は"移民の増加"である。
大都市を中心に、移民が増え続けている。
現在のロンドン市長・サディク・カーン氏もイスラム教徒である。彼はEU加盟国の首都で、イスラム教徒初の市長である。
経済的にも、EUは非人道的な地域統合体といえる。
豊な国は更に豊かに、貧しい国は更に貧しくなるからだ。
貿易を例にとると、ドイツは貿易で儲けているが、いくら儲けても通貨(ユーロ)の価値が高くなりにくい。その理由は競争力の弱い国も同一の通貨を使っているためである。
EUを成功させたいなら、豊か国から貧しい国への所得移転が必要である。
英国のEU離脱について、朝日新聞が社説で苦言を呈している。
英国の国民は正しい選択をした。