英国内務省は19日、欧州連合(EU)離脱に伴う新たな移民制度の概要を発表した。
移民は点数評価となる。
技能や英語力、収入などで評価し、一定の点数を超えた移民にだけ査証(ビザ)を発給する。
EU出身の労働者が英国に自由に入国できる現在の仕組みは終了。EU出身とEU外出身の労働者は同じ扱いとなる。
詳細はまだ明らかにされていないが、留学生も点数評価となる。
新移民制度は、EUからの離脱の移行期間終了した令和3年1月1日から導入する。
英国のプリティ・パテル内務大臣原典:UK Parliament
新移民制度について、プリティ・パテル内務大臣「最も聡明で最良な人がイギリスに来ることができるようになる」と説明している。非熟練労働者や季節労働者については原則的に認めない方針。
同大臣も所属する与党・保守党は、移民の流入数を減らすため「点数制」の移民制度導入を公約に上げていた。
英国に在住済みの移民には新制度の影響はない。
最大野党・労働党は、「現在、英国に住んで働いている移民へのメッセージを考えたようにはみえない」指摘。
野党・自由民主党のクリスティーン・ジャーディーン内務報道官は、「この提案は外国人嫌悪に基づいたものだ」と批判した。
地域政党・スコットランド国民党のスタージョン党首も「地域の経済を破壊する」批判した。
英国内務省によると、労働者が新制度でビザを得るには合計で70点以上が必要になる。項目については以下のとおり。
- 英企業からの正式な求人=20点
- 仕事に適切な能力=20点
- 必要な英語が話せる=10点
- 年収23,040~25,599ポンド(約330~370万円)=10点
- 年収2万5600ポンド(約370万円)以上=20点
- 人手不足の業種=20点
- 仕事に関係する博士号保有=10点
- 仕事に関係する科学・技術・工学・数学分野の博士号保有=20点
情報元:The UK's points-based immigration system: policy statement - GOV.UK
英国は移民受け入れを制限する選択をした。日本とは対照的だ。
未来のことはわからないが、長期的に見れば「英国は正しい選択をした」と筆者は思う。