「新しい歴史教科書をつくる会」は21日、同会の中学校用教科書『新しい歴史教科書』(自由社)が、文部科学省の教科書検定で「不合格」の通告を受けたと発表した。
文部科学省は今年3月下旬頃までをめどに、令和3年度から使用する中学校用教科書の検定を非公開で行っていた。
新しい歴史教科書をつくる会とは、平成8年に結成された日本の社会運動団体で、一般社団法人。略称で「つくる会」と呼ばれることが多い。
従来の歴史教科書が「自虐史観」の影響を強く受けているとして、①適正な教科書を新しく作って子供たちに届けること、②これまでの不健全な教科書を是正すること、を目的に活動している。
つくる会の中学歴史教科書は、前身の扶桑社版も含めると平成13以降で5回、検定に合格していた。
平成31年4月には、中学校用教科書の『新しい歴史教科書』と『新しい公民教科書』を検定申請していた。
新しい歴史教科書、H28年度~令和2年度まで使用されるもの
つくる会の藤岡信勝副会長は21日午後、文部科学省で行った記者会見で、「結論ありきの不正な検定で、これを正すために公表するのは公益にかなう」と述べた。
『新しい歴史教科書』には、405件の「欠陥指摘」があった。誤記や事実の間違いなどは少なめで、7割以上の292件が「生徒に理解しがたい」「誤解するおそれがある」などの理由だった。
教科書検定では、文科省側の検定意見を受け、教科書会社側が修正するというやり取りを繰り返すのが通例。しかし、今回のように、検定意見が1ページ当たり1・2件以上の教科書は一発不合格となる。
つくる会は、文部科学省より伝えられた「欠陥指摘」をホームページ上に公開した。22日午前時点で、3点を明らかにしている。
1点目は、新元号が入る予定の箇所を『 ■■ 』にしていたこと。指摘事由「生徒にとって理解しがたい表現」。
2点目は、『古代までの日本は、約20万年前のアフリカでの「ホモ・サピエンス」(知恵のあるヒト)の誕生から、11世紀末の摂関政治の終わり頃まで、とても長いね。』という記述。指摘事由「生徒にとって理解しがたい表現」。
3点目は、毛利輝元について『輝元の時代には豊臣秀吉政権の重臣となり、関ケ原の戦いでは西軍の大将格として徳川家康に敗北しました。』という記述。指摘事由「生徒に誤解するおそれのある表現」。
情報元:欠陥指摘 3つのケース - 新しい歴史教科書をつくる会
文部科学省は、検定結果を事前に明かすことを禁じる細則に「明確に違反する」と説明し、自由社に事情聴取を行うとした。違反した場合の罰則はない。
『新しい歴史教科書』に関しては、「全体の検定結果の公表まで、詳細はコメントできない」としている。
筆者には、つくる会と検定をした人の間に、歴史認識に大きな溝があるように感じる。
歴史教育自体を見直す必要があるのではないのだろうか?
まずは、支那や韓国に都合の悪いことは教えない「近隣諸国条項」を無くすべきである。