同日、同法に基づき公共の安全の確保を図るための組織として「公安調査庁」が設置された。
昭和27年(1952年)7月21日のことである。
公安調査庁、中央合同庁舎6号館(東京都千代田区霞が関一丁目)、出典:Wikipedia
破壊活動防止法とは、「暴力主義的破壊活動」を行った団体に対し規制措置を定めるとともに、その活動に関する刑罰を定めた法律である。
暴力主義的破壊活動とは、刑法上の「内乱」「内乱の予備、陰謀」「内乱等の幇助」「外患誘致」「外患援助」「外患誘致及び外患援助の未遂」「外患誘致及び外患援助の予備、陰謀」を指す。
破壊活動防止法に基づく調査対象団体は、以下のとおり。番号は指定年月順。
- 日本共産党
- 朝鮮総連
- 護国団
- 全学連
- 共産主義青年同盟(共青)
- 共産主義者同盟
- 大日本愛国党
- 大日本愛国青年連盟
- 国民同志会
- 日本同盟
- 関西護国団
- 日本塾
- 中核派
- 革共同
- 革労協
- 革マル派
- オウム真理教
破壊活動防止法がつくられたきっかけは、昭和27年(1952年)5月に発生した血のメーデー事件(皇居外苑でのデモ騒乱事件)である。
同法の成立は難航した。
言論・表現の自由が制限されるとして、日本共産党や日本社会党など半数以上の国会議員が反対した。
このため、吉田茂内閣は原案を修正し譲歩。昭和27年(1952年)7月4日、可決・成立した。
同年7月21日より施行された。
破壊活動防止法が適用され、有罪となったのは2回しかない。
①三無事件(さんゆうじけん)、昭和36年(1961年)
②渋谷暴動事件、昭和46年(1971年)
平成7年(1995年)の地下鉄サリン事件などを起こした「オウム真理教」には適応されなかった。公安審査委員会が、要件を満たしていないと判断した。代わりに、団体規制法が制定・適用された。
破壊活動防止法があることにより、公安調査庁が暴力主義的破壊活動を行う危険性のある団体を調査することができる。抑止力があるのは間違いない。
しかし、同法が適用され有罪となることは稀だ。
言論・表現の自由が制限されるとの批判もある。
筆者は破壊活動防止法を、もっと簡単に適用でき、かつ、言論・表現の自由にも配慮したものに修正すべきだと思う。
以前、街頭演説でこの主張をしたら、「人権がぁ~!」とヒステリックに絡まれた。
人権に配慮すると言っていたのに。