追手門学院大学と島根大学、株式会社ERISA の共同研究チームは、「高齢者がアルツハイマー病を、いつ、どの程度の確率で発症するのか」予想する手法を確立した。
発症推定の精度は 83.5 %に達した。
アルツハイマー病とは、脳が萎縮していく、主に高齢者の病気である。
症状は、生活機能障害や見当識障害、記憶障害、言語障害、視空間認知障害など。
65 歳以上の約 6 %が罹患しており、認知症に占める割合は 60~70%。
現時点では、有効な治療法はない。
通常の老人の脳(左)とアルツハイマー病患者の脳(右)、出典:Wikimedia Commons
研究チームは、アルツハイマー病の特徴である脳の萎縮に着目。脳の灰白質容積を算出し、病気の進行度を判断するという手法をとった。
健康な人とアルツハイマー病患者の脳のMRI画像計2,142例と、その後の発症状況を追跡したデータを、深層学習で解析した。
結果、1年後、2年後と経過年ごとに、個人レベルでアルツハイマー病を発症する確率を予測できる手法を確立できた。
高齢者をランダムに二人選んだとき、 83.5%の確率で、どちらが先にアルツハイマー病になるかを正答できた。
これまで、アルツハイマー病を発症しやすいタイプか、発症しやすくないタイプかの研究はあった。
今回のように、個人の発症確率を経過年数ごとに予測する手法を確立したのは、画期的だという。
更に、脳のどの部分が、アルツハイマー病発症予測に重要かも調べた。
従来から示唆されていた、デフォルトモードネットワーク(意識的な行動以外でも活動している脳領域)は、予想どおり重要な情報源であった。
これとは別に、前帯状回や島皮質といった顕著性ネットワークも重要であることがわかった。
「アルツハイマー病が、いつ、いつ、どの程度の確率で発症するのか」ある程度の精度で予想できるようになったことは大きい。
更に研究を続ければ、新たに今まで不明だったことも発見できるだろう。
反日教授にくれてやる金があるなら、こういう研究にまわすべきである。