産経新聞は8日、尖閣諸島支那漁船衝突事件で、当時の菅直人(かん・なおと)総理が逮捕した支那人船長の釈放を指示していたと報道した。
菅直人内閣の国務大臣だった前原誠司氏が今月3日、産経新聞の取材で明らかにしたという。
菅直人・元内閣総理大臣、出典:歴代内閣ホームページ情報
尖閣諸島支那漁船衝突事件とは、平成22(2010)年9月7日、尖閣諸島付近で違法操業していた支那漁船が、海上保安庁の巡視船2隻に体当たりし逃走した事件。
翌8日、海上保安庁は強行接舷し支那漁船を停船させた。船長は公務執行妨害で逮捕。船員も同漁船にて石垣港へ回航、事情聴取が行われた。
13日、船長以外の船員は帰国となった。支那漁船も解放された。しかし、逮捕された船長の取り調べは引き続き行われた。
支那側はこれを不服とし、同国内にいる日本人の拘束、希土類(レアアース)の対日輸出停止などの報復措置を行った。
24日、船長は処分保留で釈放。翌日、支那側が用意したチャーター機で帰国した。
この船長釈放に、菅元総理の強い意思が反映されたとみられている。
前原誠司氏によると、平成22年9月21日、菅元総理は官邸で佐々江賢一郎外務事務次官らと勉強会に参加していた。
この場で菅氏が勾留中の支那漁船の船長について、かなり強い口調で『釈放しろ!』と言ったという。
菅氏は同年11月に横浜市でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議があるとして「(当時の支那国家主席の)胡錦濤(こ・きんとう)が来なくなる」と主張。
釈放しない場合、胡氏が来日しなくなることを懸念していたと思われる。
前原氏は「来なくてもいいではないか」と異を唱えた。
菅氏は「オレがAPECの議長だ。言う通りにしろ」と述べた。
前原氏はその後、当時の仙谷由人官房長官に「総理の指示は釈放だ」と報告した。
情報元:船長釈放「菅首相が指示」 前原元外相が証言 尖閣中国船衝突事件10年 主席来日中止を危惧 - 産経ニュース
平成25(2013)年9月24日、菅内閣の官房長官だった仙谷由人(せんごく・よしと)氏は支那人船長の釈放について、「政治介入」を行っていたことを認めた。
当時の外務省幹部にも、菅元総理の指示を認めている者もいる。
筆者は、前原誠司氏の発言は事実だと思う。
当時の民主党政権は「支那人船長の釈放は検察独自の判断」としてきたが、素直に信じることはできない。
菅直人元総理には、事実を説明する義務があるのではないのか?
そして、マスコミは本来、こういう事を追求すべきではないのか?